公益財団法人 地球環境センター

「UNEP-IETC 設立30周年記念イベント ごみゼロへの挑戦 -次の30年に向けたサステナビリティアクション-」を開催しました

2022年10月13日

登壇者・パネリスト集合写真

2022 年10月3日、公益財団法人 地球環境センター(GEC)は、国際連合環境計画 国際環境技術センター (UNEP-IETC)と協力し、「UNEP-IETC 設立30周年記念イベント ごみゼロへの挑戦 -次の30年に向けたサステナビリティアクション-」 をオンラインにて開催しました。

イベントでは、UNEP-IETCに期待される役割、過去30年間の成果、次の30年に向けたごみゼロへの展望などをテーマに、UNEP-IETCのパートナー機関のリーダーらが3つのセッションの中でメッセージを伝達し、多角的な議論が行われました。

当日は、日本を含む世界24か国から183名の参加者が集まり、UNEP-IETCの設立30周年を祝福し、これからの30年に向けたごみゼロ社会の実現のための提案とアクションが共有されました。

(イベントプログラム)

書道パフォーマンス
(15:00-15:15)
出演者: 岡西佑奈(書家アーティスト)
開会の挨拶
(15:15-15:40)
登壇者: UNEP事務局長インガー・アンダーセン、外務副大臣 武井 俊輔(ビデオメッセージ)、大阪市長 松井一郎
プレゼンテーション 「UNEP-IETCのこれまでの30年、これからの30年」
(15:40-16:00)
登壇者: UNEP-IETC ヘッド 中村武洋GEC理事長 鈴木直
パネルディスカッション 「サステナブルな廃棄物管理に向けて、次の30年で私たちにできること」
(16:00-16:55)
登壇者: 国際廃棄物協議会 科学技術委員会委員長 ビョルン・アッペルクイスト、(株)BIG EYE COMPANY Chief Environmental Officer 大塚桃奈、お笑い芸人 古坂大魔王、(株)セブン&アイ・ホールディングス 執行役員 釣流まゆみ、エジプト前環境大臣 カレド・ファハミ
 閉会の挨拶
(16:55-17:00)
 

イベントのオープニングでは、書家・アーティストの岡西佑奈氏による書道パフォーマンスが行われました。国連ブルー色のボードに、“Towards a Zero Waste(ごみゼロに向けて)”と “動(アクション)” の二つの言葉が書き上げられ、ダイナミックな幕開けとなりました。

開会挨拶では、初めにUNEP事務局長のインガー・アンダーセン氏から基調講演が行われました。アンダーセン氏は、UNEP-IETCの設立30周年を祝うとともに、これまでの日本政府および大阪市からのIETCへの活動支援への感謝の意を表しました。そして廃棄物問題は、気候変動の危機、自然と生物多様性の損失の危機、汚染と廃棄物の危機という3つの地球危機全体に影響を与えることを強調しました。
次に外務副大臣 武井 俊輔氏からのビデオメッセージが放映されました。UNEP-IETCによる世界の廃棄物管理に関するこれまでの貢献についての評価、そして大阪G20サミットで提唱された「大阪ブルー・オーシャン・ビジョン」の実現について、また今年3月の国連環境総会を踏まえたプラスチック汚染問題の解決向けた条約交渉の開始について触れ、IETCのホスト国として、日本の技術や知見が交渉に活かせるようにIETCの役割に期待していることが伝えられた。また、2025年の大阪・関西万博に向けて、世界の廃棄物管理を主導する立場として、万博の理念の一つでもある廃棄物の適正管理とごみゼロの取組が世界に向けて発信されることを期待していると述べました。

最後に、大阪市長 松井一郎氏より、設立30周年のお祝いの言葉と、IETCのこれまでの貢献に対する謝辞が述べられました。また、G20大阪サミットで共有された「大阪ブルー・オーシャン・ビジョン」の実現に向けたプラスチック汚染を含む適正廃棄物管理に関するIETCの重要な役割について強調し、今後も日本政府とともに、GECを通じて引き続き支援していくとのメッセージがありました。

インガー・アンダーセンUNEP事務局長 オープニング挨拶インガー・アンダーセンUNEP事務局長 オープニング挨拶

外務副大臣 武井俊輔氏からのビデオメッセージ

大阪市長 松井一郎氏の挨拶

次のセッションでは、「IETCの30年のあゆみ」として、UNEP-IETCヘッドの中村武洋氏がプレゼンテーションを行いました。
続いてUNEP-IETCの支援団体である、GEC理事長の鈴木直氏が登壇し、IETCとともにGECも30周年を迎えたことへの祝辞を述べるとともに、これからもIETCと協働し、UNEPサステナビリティアクションなどステークホルダーとの連携を通じて、プラスチック汚染対策、SDGsの実現に向けた取組を進めていくことを強調しました。

UNEP-IETCヘッド 中村武洋氏のプレゼンテーション

GEC鈴木理事長からの挨拶

最後のパネルディスカッション 「サステナビルな廃棄物管理に向けて、次の30年で私たちにできること」のセッションでは、UNEPアジア太平洋事務所所長のディチェン・ツェリング氏がファシリテーターを務め、元エジプト環境大臣のカレド・ファハミ氏、国際廃棄物協議会(ISWA)科学技術委員会委員長の ビョルン・アペルクヴィスト氏、セブン&アイ・ホールディングス 執行役員の釣流まゆみ氏、ビッグ・アイ(株)上勝ゼロエミッションセンターの大塚桃奈氏、そしてお笑い芸人の古坂大魔王氏がパネリストとして登壇しました。

パネルディスカッションでは、コミュニティ、市民社会、企業、メディア、政府の立場から、廃棄物処理について多角的な議論が行われました。循環型経済の推進に責任を持つことが奨励され、ごみゼロ社会に向けたアクションの提案とサステナブルな廃棄物管理の重要性が確認されました。最後に、全パネリストからまとめのメッセージが共有された後パネルディスカッションは終了し、本イベントは閉会しました。

パネルディスカッションの様子