ラオスの首都、ビエンチャン市(人口約80万人/2015年)では、毎日およそ350~650tのごみが発生していると言われています。ビエンチャン市でのごみ処理の方法は、ほとんどが市の郊外にある最終処分場での埋立てとなっていますが、持ち込まれるごみの種類は、近年のビエンチャン市民の生活水準の向上や様式の変化に伴ってますます複雑となり、PETボトルなどのプラスチック製容器や製品、空き缶などの金属類など、埋め立てだけでは自然に分解することが困難なごみが多くなっています。今後、ますますこのような種類のごみが増える中、市民には3Rの推進やごみの分別収集によるリサイクルへの期待も高まっています。
地球環境センターでは、環境先進都市としてごみ問題に対して、これまでにさまざまな取り組みを行ってきた京都市と共同で、2015年からJICAからの委託を受けて「草の根技術協力事業」を実施、ビエンチャン市において京都市で実践してきた市民協働による分別収集の仕組みづくりを支援してきました。このプロジェクトは2018年3月で終了しますが、今後も引き続きビエンチャン市の抱えるごみ問題の解決に取り組んでいきます。
ビエンチャン市内の4つのモデル村において、京都市で行われている市民協働型の分別回収「コミュニティ回収」をモデルとした集団回収を開始しました。毎月、決まった日曜日を集団回収の日と定め、村内の学校などを会場として住民がPETボトルやアルミ缶などの資源物を持ち寄ります。
小学校での環境教育用の副読本として、ごみ分別をわかりやすく説明した絵本を製作しました。また各学校で絵本を使った適切な指導ができるよう、先生用の「指導要領書」や「補助パネル」、また指導の様子をビデオに収めたDVDなども製作しました。
「首都ビエンチャン市における市民協働型廃棄物有効利用システム構築支援事業」
実施期間 | 2015年11月~2018年3月 |
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ラオス側実施機関 | ビエンチャン市管理局(VCOMS) ビエンチャン市天然資源環境局(DONRE) ビエンチャン市教育スポーツ局(DOES) |
日本側実施機関 | 京都市 公益財団法人地球環境センター(GEC) |
プロジェクト目標 | 首都ビエンチャン市市街化区域において、廃棄物処理に関する市民の正しい知識の理解と習得による市民協働型の資源の有効利用(「資源循環」)が可能となる廃棄物管理の仕組みが構築される |