調査名 | ブラジル・サンパウロ州臨海部埋立処分場メタンガスの回収及びエネルギー利用事業調査 | |
調査年度 | 2005(平成17)年度 | |
調査団体 | (株)日本総合研究所 | |
調査協力機関 | ブラジル三井住友銀行、XENEX do BRASIL Ltda、Max Ambiental | |
調査対象国・地域 | ブラジル(サンパウロ州・ イタニャイン市、カラピクイバ市、モジグアス市) | |
対象技術分野 | 廃棄物管理 | |
対象削減ガス | メタン | |
CDM/JI | CDM | |
プロジェクト実施期間 | クレジット期間:2006~2026 | |
報告書 | 概要版 | 概要版(553KB) |
詳細版 | 本文(2.7MB) 本文(2.2MB) | |
プロジェクト概要 | サンパウロ州の3都市(イタニャイン市・カラピクイバ市・モジグアス市)の廃棄物埋立処分場3ヶ所に、発生するランドフィルガス(LFG)を回収・有効利用するシステムの導入を検討する。これにより、CO2の21倍の温室効果をもつメタンガス排出量を削減し、ブラジルおよび地域の持続的発展に貢献する。 | |
ベースラインの設定・追加性の証明 | 本プロジェクトのベースラインシナリオおよび追加性の検討にはCDM理事会第17回会合で承認された「Tool for the demonstration and assessment of additionality追加性の評価と証明のためのツール」を用いた。 ベースラインシナリオとしては次のように設定した。 「廃棄物埋立処分場ではLFGは回収やフレア設備による処理がされることがないか、一部のLFGが安全のためにフレア設備による処理をされるのみである。また、オンサイトでの発電は行われず、ブラジルの系統に対する影響はない。」 また、現在のブラジルの法律では、廃棄物埋立処分場においてLFGを回収・処分することを義務づけておらず、本プロジェクト活動からはCDMに関連した収入以外のいかなる金融的あるいは経済的利益も発生しないことから、追加性が認められる。 | |
GHG削減量 | プロジェクト実施によるGHGの削減量の推定にはUS EPAのFirst Order Decay Modelを用いた。イタニャイン市、カラピクイバ市、モジグアス市の3サイトの合計によるGHG排出削減量は7年間では294,772t-CO2、21年間では698,067t-CO2となった。詳細は以下の通り。 イタニャイン市におけるベースラインシナリオおよびプロジェクトにおけるGHG発生量 カラピクイバ市におけるベースラインシナリオおよびプロジェクトにおけるGHG発生量 モジグアス市におけるベースラインシナリオおよびプロジェクトにおけるGHG発生量 | |
モニタリング | モニタリング方法論として承認統合モニタリング方法論ACM0001「Consolidated monitoring methodology for landfill gas project activities LFGプロジェクト活動の統合モニタリング方法論」を用いる。本プロジェクトでは発電および熱エネルギーの生成は現時点では行わないため、発電および熱エネルギーの生成部分は含まれない。 | |
環境影響等 | 本プロジェクトの実施により、廃棄物投棄場となっているイタニャイン市をはじめとして、カラピクイバ市およびモジグアス市においても廃棄物埋立処分場に関連する環境問題を解決するための設備投資が可能となる。本プロジェクトが存在しなければ、財政的に極度に逼迫している自治体では有効な対策が出来ないままに廃棄物の投棄をつづけることになり、本プロジェクトが地域環境へ良い影響を与えていると評価できる。 | |
事業化に向けて | 本プロジェクトにおける初期投資に必要な設備費及び工事費に関しては、ブラジル連邦貯蓄銀行(Caixa Econochmica Federal)をはじめとした政府系金融機関、地元金融機関からの融資によって調達が見込まれている。 一方で、ブラジルに限ったことではないが、廃棄物処理に関する事業には様々な利権構造が存在していることが分かった。事業化を進めていく段階においては、これらの利権構造が大きな障害になる可能性も否定できないことから、十分な調査が必要である。 |