調査名 | ネパール・発酵槽導入プログラムCDM事業調査 | |
調査年度 | 2008(平成20)年度 | |
調査団体 | エヌ・ティ・ティジーピー・エコ株式会社 | |
調査協力機関 | 西日本電信電話株式会社 | |
調査対象国・地域 | ネパール 全土 | |
対象技術分野 | 廃棄物管理 | |
対象削減ガス | 二酸化炭素(CO2)、及びメタン(CH4) | |
CDM/JI | CDM | |
プロジェクト実施期間/クレジット獲得期間 | 2010年~2017年:初期登録CPA(7年間更新なし) 2010年~2028年:PoA(28年間) | |
報告書 |
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プロジェクトの概要 | 本プロジェクトは、各民家に家畜糞尿発酵槽を導入し、発酵槽からのメタンガスを炊事用燃料として利用することによって、非再生可能バイオマスとしての薪の消費量を減らすとともに、野積み放置された家畜糞尿からのメタンガス排出を回避するCDMプロジェクトである。 また、Biogas Support Programme(発酵槽支援制度、以下「BSP」と略)の元、ネパール全土(但し、高山部では対象外となる地域もある)をバウンダリーとし、村を一つのCPAを構築しているプログラム活動でもある。 CPAサイトである村はネパールの各地に点在するため、プログラムCDMの運営・管理・モニタリングにはITを活用する。具体的には、テレセンタ(=インターネット端末と端末からの情報を村のために活用する情報コーディネーターが配置された拠点)の機能を各CPAサイトに構築し、プロジェクト期間中のモニタリングや発酵槽の運営・管理状況を調整管理組織とCPAで意思疎通を図るものとする。 なお、非再生可能バイオマスである薪の消費量を抑制することでネパールの森林伐採問題を解決するCDMプロジェクトであり、更には家畜糞尿野積みによる地下水汚染問題を解決するコ・ベネフィットCDMプロジェクトになる可能性もある。 | |
ベースラインの設定 | ベースラインシナリオ分析の結果、BaUシナリオを採用することとした。また、適用方法論はAMS-I.E(非再生可能バイオマスの熱利用)及びAMS-III.D(堆肥管理システムにおけるメタン回避)を採用することとした。 | |
追加性の証明 | 資金的追加性はPoAレベル及びCPAレベルで証明した。 | |
GHG削減想定量 | 初期登録10CPA分の合計が年平均3,100tCO2/年 | |
モニタリング | AMS-I.E(非再生可能バイオマスの熱利用)及びAMS-III.D(堆肥管理システムにおけるメタン回避)に基づきモニタリングするのは主に次の量である。
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環境影響等 | 本プロジェクトは環境影響評価の対象とならない。また、本プロジェクト実施により以下のような間接影響がある。
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事業化に向けて | まずは既存のBSPの下で発酵槽導入プログラムCDMを実現できるよう検討していきたいが、日本からの資金提供については、ネパール環境科学技術省、AEPC、更にはBSPの資金提供者であるSNV/DGIS(オランダ)及びKfW(ドイツ)の承諾を必要とする。このため、日本側の資金提供をネパール関係者に承諾してもらうよう協議を進めていくが、協議によってはWWFのように独自のプログラムを設立する可能性もあると考える。 また、日本からの提供資金としては、企業等からの民間資金と政府等からの公的資金を活用することが考えられるが、プログラムCDMへ投資する場合は、CPAを追加する度に投資できるフレキシブルな資金が必要となるため、現在のところ民間資金に期待している。 調整管理組織はAEPCとBSP-Nを中心とした体制で協議していきたい。BSP-Nは発酵槽導入CDMを既に2件登録しているが、その後も別のCDMを登録する準備をする等、CDMの実績は十分にあると考えられる。 プログラム開始は現在のBSPフェイズIVが終了する2009年8月以降と考えているが資金調達のタイミングと併せて検討を進めたい。 | |
コベネフィットの実現 | 発酵槽導入プロジェクトは、比較的地下水汚染の可能性が高いTeraiにおいて、コベネフィット効果が高いのではないかと考える。但し、発酵槽導入後の窒素濃度計測(コベネモニタリング)も必要となる。 |