調査名 | インドネシア・西ジャワ州廃棄物処理プログラムCDM事業調査 | |
調査年度 | 2008(平成20)年度 | |
調査団体 | 鹿島建設株式会社 | |
調査協力機関 | ||
調査対象国・地域 | インドネシア(西ジャワ州) | |
対象技術分野 | 廃棄物管理 | |
対象削減ガス | メタン(CH4) | |
CDM/JI | CDM | |
プロジェクト実施期間/クレジット獲得期間 | 2010年~2027年/2010年~2016年 (7年間・延長あり) | |
報告書 |
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プロジェクトの概要 | 本プロジェクトは、インドネシア・西ジャワ州の25自治体(16県9市)を対象とし、プログラムCDMスキームを活用した都市固形廃棄物(Municipal Solid Waste: MSW)の簡易MBT(機械生物処理)による中間処理の普及促進を行う事業である。簡易MBTは、機械的選別によりリサイクル品の効果的回収を行い、生物処理では有機物の好気分解により現状の埋立て処分場での嫌気分解によるメタン発生を回避し、温室効果ガスの発生を削減する。 PoA(プログラム活動)のバウンダリーを西ジャワ州とし、プログラムCDM実施のための調整管理組織(CME)には西ジャワ州環境保護局を予定している。個別の廃棄物処理事業の実施を各自治体またはコミュニティー等が行うこととし、それぞれをCDMプログラム活動(CPA)とする。また、PoAの実施手順としては、大規模なCPAから実施し、そのクレジット収入を活用し小規模なCPAも普及させる計画である。 | |
ベースラインの設定 | 本プロジェクトには、承認済み方法論AM0025 ”Avoided emissions from organic waste through alternative waste treatment processes (version 11)”を適用する。 ベースラインは、現状維持、すなわち「回収されたごみが中間処理されずそのまま最終処分場へ投棄される」ことである。現状維持が最も低コストな廃棄物処理方法であり、コンポストを自治体が高額で全量買い取るなどの政策がない場合、CDMによるクレジットなしにはいかなる中間処理施設も導入されないため、ベースラインシナリオと同定される。 | |
追加性の証明 | 適用方法論及び追加性ツール(Tool for the demonstration and assessment of additionality version 05.2)に基づき、主に障壁分析について検証した結果、投資障壁及び技術障壁が存在することが明らかとなった。したがって、CDMの活用なしに本プロジェクトと類似のものが実施される見込みはなく、本プロジェクトには追加性があると判断できる。 | |
GHG削減想定量 | 処理量300トン/日のCPA: 年平均 約3.9万tCO2(7年間の平均) プログラムCDM対象地域全体でのGHG削減量のポテンシャルは、西ジャワ州全体の廃棄物量(約4,500トン)から推定すると、年間約60万tCO2である。 | |
モニタリング | 適用方法論に基づきモニタリングを行う。主なモニタリング項目は以下のとおり。
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環境影響等 | 本プロジェクトは廃棄物を分別・処理するものであり、環境に与える悪影響は少ないと考えられる。また、インドネシア国の環境影響評価(EIA)制度について調査した結果、本プロジェクトは、AMDALと呼ばれるEIAの対象事業には該当しないため、AMDAL作成の必要はないが、その簡易版であるUKL/UPL(環境管理計画/環境モニタリング計画)の提出が必要である。 | |
事業化に向けて | 事業性検討の結果、比較的低価格な処理費用(tipping fee)とCER売却収入のみを収入源とした場合、大規模な施設(300t以上)でしか十分な採算性がないことが判明した。したがって、プログラムCDMの実施の手順としては大規模な施設をまず先行運営し、得られる収益の一部も活用しながら小規模な施設の普及促進も行うことが効果的であると考えられる。 現地カウンターパートはプロジェクト実施に大変積極的な姿勢を示しているが、実施には以下の課題があり、早急な調整が必要である。
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コベネフィットの実現 | 臭気、水質、大気の項目について公害防止効果指標を定め、それぞれの指標に重み付けをすることにより公害対策効果を総合的に評価する手法を提案した。 |