調査名 | マレーシア・サバ州における小水力発電事業調査 | |
調査年度 | 2006(平成18)年度 | |
調査団体 | 北海道電力(株) | |
調査協力機関 | 北電総合設計(株)、Sabah Electricity Sdn. Bhd. | |
調査対象国・地域 | マレーシア(サバ州) | |
対象技術分野 | その他 | |
対象削減ガス | 二酸化炭素 | |
CDM/JI | CDM | |
プロジェクト実施期間/ クレジット獲得期間 | 21年間/ 21年間 | |
報告書 | ||
プロジェクト概要 | 本プロジェクトは、マレーシア・サバ州に位置するKimanis川において、2地点(Kimanis Kanan地点およびKimanis Kiri地点)の流込式水力発電所を建設し、合計最大出力4MWを発電するものである。得られた電力は、地元電力系統へ接続して売電する。水力発電から得られた電力は温室効果ガスの発生を伴わないクリーンなエネルギーであることから、本プロジェクトによりグリッドの化石燃料代替による温室効果ガス削減効果が得られるものである。 | |
ベースラインの設定・追加性の証明 | ベースラインは小規模CDMの簡易方法論AMS-I.D.「グリッド接続の再生可能発電」に基づき、本プロジェクトから得られる発電電力量(MWh)にグリッドのCO2排出係数(tCO2/MWh)を乗じて求める。排出係数は、Simple OMおよびBMの加重平均により求められるCMを用いた。追加性は、投資バリア(収益性が低いこと)および一般的慣行バリア(水力発電の開発が一般的に行われていないこと)を用いて証明した。 | |
GHG削減量 | ・年間GHG削減量:15,500tCO2 ・クレジット獲得期間(21年間)合計GHG削減量:325,500tCO2 | |
モニタリング | 本プロジェクトでは、AMS-I.D.を適用する計画であり、同方法論に基づき、発電した電力量を計測する。電力量は、グリッドとの接続地点に電力量計を設置し、計測する計画である。 | |
環境影響等 | 環境影響評価(EIA)は州政府指定の環境コンサルタント会社が実施するもので、大気・水質・騒音などに関して、同国の環境規制に対する評価を行うものである。本プロジェクトは環境への影響が少ない流込式水力発電所であること、また現地調査を基に評価した結果、基本的にはいずれの規制値も満たすものと考えている。 | |
事業化に向けて | 本プロジェクトは売電価格の協議やCER価格の動向にはよるものの、カントリーリスクが比較的低いマレーシアにおいてはCDMプロジェクトとして実施できる可能性があることが分かった。しかしながら、本事業には以下の課題があることから、これらの課題について今後対応を行い、本事業の評価精度を高める必要がある。 ・地形測量を実施し、発電計画の精度を高めること ・SESBと売電単価の事前協議を行うこと ・ 建設コストを再評価すること |