調査名 | タイにおけるバイオガスによる発電事業調査 | |
調査年度 | 2004(平成16)年度 | |
調査団体 | (株)タクマ | |
調査協力機関 | EfE(Energy for Environment Founndation) | |
調査対象国・地域 | タイ国ラチャブリ地方 | |
対象技術分野 | バイオマス利用 | |
対象削減ガス | 二酸化炭素, メタン, 一酸化二窒素 | |
CDM/JI | CDM | |
実施期間 | 2007~2016 | |
報告書 | 概要版 | 概要版 (458KB) |
詳細版 | 本文 (9.8MB) 本文 (5.0MB) | |
概要 | タイ・ラチャブリ地方の大規模養豚場からの廃液を嫌気性処理するバイオガスプラントを設置するCDMプロジェクトの事業性を検討し、実施に向けた課題を明らかにする。 タイ国は2002年8月27日付けの閣議決定により京都議定書に批准した。タイ国は温暖化ガス削減義務を負わない非付属書Ⅰ国であり、CDMの対象国としての要件を満たしている。 タイ・バンコク近郊のラチャブリ地方にある大規模養豚場では、現在発生する廃液はオープンラグーンで処理されている。この廃液を嫌気性処理設備(バイオガスプラント)で処理することにより、二酸化炭素に比べ約21倍の温室効果があるとされる強力な温室効果ガスであるメタンガスの発生を抑制できる。さらに回収されたメタンガス(バイオガス)は発電に用いられ,零細規模発電事業者買取保証制度(VSPP)で売電され、グリッド電源の代替とすることで、化石燃料使用量削減による温室効果ガスの削減が期待できる。残渣は肥料化され資源化される。 | |
ベースラインの設定・追加性の証明 | 方法論AM0006 “GHG emission reduction from manure management system"を元に、発電によるグリッド電力の代替も考慮して、ベースライン、モニタリング方法等を決定した。 現状の処理方法である、嫌気性および好気性のオープンラグーンによる処理をもとに、下記のベースラインのバウンダリーを決定した。 | |
GHG削減量 | 年間 約22,000ton-CO2 | |
モニタリング | 下図にモニタリング項目を示す。 売電量、バイオガス量などは記録計を設け連続的に計測される。糞尿、発酵液のVS濃度、排ガス成分は定期的に分析される。余剰ガス燃焼装置は間欠的な稼動となるため、流量のみを記録計で記録し、メタン濃度は発電機と同等とする。 | |
環境影響等 | 密閉型メタン発酵槽の設置により、バイオガスの回収が可能であると同時に、オープンラグーンから有機物分解時に発生する揮発性の臭気成分の揮散を防ぐことができる。 | |
事業化に向けて | 収入の50%以上をクレジットによる収入が占めるため、経済性がクレジットの価格に大きく左右される。クレジット価格=5 US$の場合で、プロジェクトIRRは3.8%であり、現状ではCDMプロジェクトしての事業化は厳しい。ただし、クレジットの価格と温室効果ガス削減量の均衡が取れる事業であれば、事業可能性は高くなると見込まれる。 |