公益財団法人 地球環境センター

GEC友の会第13回エコツアーを開催

2015年11月04日

 GEC友の会では、会員が地球環境の保全ための小さな努力を継続する力を養うため、廃棄物のリサイクル処理やエネルギー関連施設などを訪問し、環境エネルギー問題を学習するエコツアーを開催してきました。今年も、2015年10月21日(水)、晴天に恵まれたなかGEC友の会会員及び同伴者の総勢34名が、第13回目となるエコツアーに参加しました。

東灘処理場での研修

東灘処理場での研修

今回のテーマは「下水道からエネルギー?」
 下水道は私たちの生活から出てくる汚水や工場排水を浄化し川や海の水が汚れるのを防いでいます。下水処理場では活性汚泥(微生物)を使って汚水を浄化しますが、その祭、汚泥が大量に発生します。一部は水処理に使用されますが、不要となった汚泥の大部分は焼却、埋立処分され、有効に使われている量は多くありません。
 一方、下水処理には膨大なエネルギーが必要で、多量の電力を消費しています。
この電力多消費型の施設が市民にエネルギーを供給している、具体的には、「下水処理場で発生する汚泥から都市ガスをつくりだし、家庭に供給する」事業に取り組んでいる、これまでの下水処理場のイメージをがらりと変える施設を訪問しました。

バイオガス精製施設見学

バイオガス精製施設見学

神戸市東灘処理場での取り組み
 神戸市東灘処理場では汚泥を濃縮後、減量化と安定化を目的に嫌気性消化していますが、このときに発生する消化ガス(成分;メタン約60%、二酸化炭素約40%)をメタン濃度98%に精製し、「こうべバイオガス」として2008年4月から自動車燃料として活用し、2010年10月からは更に高度精製し、都市ガス導管へ直接注入を開始しています。どちらも日本初の取組みで、下水処理場から地域にエネルギーを供給する画期的な事業と評価されています。
 汚水が浄化されるプロセスや、下水処理場でつくられた都市ガスが家庭へ送られる事業の内容をスライドと動画をつかって分かりやすく説明していただきました。参加者から、素朴な疑問や専門的な質問があり、活発な質疑応答となりました。
コストなどまだ問題はあるものの、私たちから排出された汚濁物質を私たちが使う都市ガスに変換するこのプロジェクトが大きな実を結ぶことを期待しました。

六甲山自生の植物の説明に聞き入る参加者

六甲山自生の植物の説明に聞き入る参加者

六甲山の自然の多様性を楽しむ
 六甲山で昼食後、昭和8年に植物学者・牧野富太郎博士の指導により開設された六甲高山植物園を訪問しました。この植物園では海抜865m、年平均気温9℃という気候を利用し、高山植物や寒冷地の植物を中心に、1500種類が栽培されています。園路をゆっくりと歩きながら、秋の六甲山でにみられる植物や、紅葉がはじまった自然の楽しみ方などを説明していただきました。色づいた落ち葉の中からブナの実を捜したり、ヤマラッキョウの可愛い花を楽しむなど、しばし都会の喧騒を忘れてしまいました。

 表六甲ドライブウェイの景色を楽しみながら下山し、灘五郷のひとつ御影郷で酒蔵見学をしたあと、帰阪しました。
 神戸市建設局東水環境センターの皆様をはじめ、今回のエコツアーでお世話になった皆様にお礼申し上げます。

GEC友の会事務局