2024年09月06日
環境省の「アジア水環境改善モデル事業」を活用して「ベトナム国 高濃度含油廃液の膜処理による減量化・再利用水の普及事業」を2022年度から実施しています。ベトナムの主要産業である自動車・オートバイ等の部品を扱う金属加工/金属処理工場や鋼管工場などから排出される含油廃液を、チューブラー型モジュールを用いて、廃液の分離処理と再利用水を精製する処理システムの技術導入により水環境の改善を図るものです。
このたび、フンイエン省の鋼管工場において、実証装置を設置し実証試験を開始しました。
■実施体制
【日本側】
・(公財)地球環境センター <代表事業者>
・ダイセン・メンブレン・システムズ(株)
・大阪工業大学
【ベトナム側】
・ベトナム科学技術アカデミー エネルギー環境科学技術研究所(VAST-ISTEE)
・ハノイ建設大学 VJIAT
■実施内容
金属加工/金属処理工場の廃液処理の現状と課題、及び潜在需要等を把握するとともに、関係者に対して本提案技術の実証試験を実施したうえで、本技術による水質改善効果等を検証します。本調査の成果により、廃液処理分野の販路開拓するための事業計画を作成します。
■適用技術
・金属加工/金属処理工場の切削工程等からの含油廃液を、チューブラー型モジュールを用いて高濃度の廃液と再利用に使用する水に分離します。
・容易に膜のメンテナンスが可能となるよう、薬液洗浄以外にスポンジボールを用いて内部付着物を除去します。
<システム構成図>
■期待される効果
・金属加工/金属処理工場からの高濁度な含油廃液を廃棄物処理業者に回収する場合には、本技術により廃液を効率的に膜分離し大幅に廃液を減容化し、処分費用を軽減することが可能となります。
・油水を分離して生成した処理水は、工場の再利用として活用が可能となります。
・薬液洗浄に加え、スポンジボール洗浄によるメンテナンス方法は、高機能膜固有の煩雑な手順が不要となります。
<実証装置>