公益財団法人地球環境センター(GEC)では「開発途上国への技術的支援等の国際協力」や「地球温暖化対策への貢献」など地球環境保全のための事業推進はもとより、2015年9月国連総会で採択された「持続可能な開発のための目標SDGs」の達成や「パリ協定」に基づく温室効果ガス削減に向けて貢献することを目指し、幅広く活動を展開しています。
2021年度においては、GECの設立目的でもある国際連合環境計画 国際環境技術センター(IETC)への活動支援として、汚染のない地球に向けた持続可能な廃棄物管理をテーマとした「UNEPグローバルダイアログ」を大阪市と連携して開催しました。また、IETCは、SDGsの達成に向け2020年に立ちあげた、国連・政府・企業・市民等の横断的なプラットフォームである「UNEPサステナビリティアクション」を国内外へ展開しようとしており、GECは今後とも積極的に連携支援を行ってまいります。
その他の国際協力では、国の成長戦略のひとつの柱であるデジタル化の流れを受け、新たに「地域産業デジタル化支援事業(近畿経済産業局事業)」を実施し、「関西・アジア 環境・省エネビジネス交流推進フォーラム(Team E-Kansai)」会員企業のアジアでの環境技術のデジタル化への支援を行いました。また、大阪府域の脱炭素・海洋プラスチック対策に関連する諸計画の長期目標達成に資する環境先進技術のシーズ情報や国内外の環境課題(ニーズ情報)の調査を実施しました。今後も、国や自治体の重要政策の推進の一助となるよう支援を進めてまいります。
一方、地球温暖化対策に関しましては、昨年グラスゴーで開催されたCOP26におきまして成果文書である「グラスゴー気候合意」が採択され、世界平均気温の上昇を産業革命前に比べて1.5度以内に抑える努力を追求することが盛り込まれました。さらに、パリ協定のルールブックについて、未決定要素だった同協定6条「市場メカニズムのルール」に関する基本的な基準について合意に達したことにより、パリ協定が完全に運用されることとなりました。日本が途上国との間で進めている「二国間クレジット制度(JCM)」は、日本とパートナー国の二国間で削減プロジェクトを実施し温室効果ガス削減量を二国間で分け合うもので、この6条2項の協力的アプローチに位置付けられるものです。
GECは、JCMを推進するため、JCMに関連する様々な事業を積極的に展開することにより海外での温暖化対策の取り組みを支援しています。また、昨年度から、再エネが豊富な第三国において再エネ水素を製造し、島嶼国等への輸送・利活用を促進する実証事業としてスタートした水素製造利活用第3国連携事業についても補助金執行団体として新たに取り組んでいます。
新型コロナウイルス感染症に加え、この2月に勃発したロシアのウクライナ侵攻の世界経済への影響から、パリ協定やCOP26における成果などの地球温暖化対策の実現にも少なからず影響があるものと危惧もされます。しかし、食糧危機や災害の激甚化など深刻な被害を避けるためにも温室効果ガス削減の取り組みは着実に進めていく必要があり、GECの役割はますますその重要性を増していくものと考えております。
私たちGECは、今後ともSDGsの達成やパリ協定に基づく地球温暖化対策に一層貢献するため、今まで以上に世界の動向を注視し、関係機関と連携・協力を進め、GECが保有する専門的な知識・経験ならびに国内外のネットワークを活かし、積極的に活動を展開してまいります。
皆様方には、GECの活動に対しまして変わらぬご理解とご支援を賜りますようお願い申し上げます。