調査名 | 韓国の液晶工場より排出される代替フロンを対象としたCDM事業化調査 | |
調査年度 | 2004(平成16)年度 | |
調査団体 | (株)産業立地研究所 | |
調査協力機関 | (株)双日総合研究所 | |
調査対象国・地域 | 韓国 | |
対象技術分野 | その他(代替フロン抑制) | |
対象削減ガス | HFC, PFC, SF6 | |
CDM/JI | CDM | |
実施期間 | 2004年6月17日~2005年3月18日 | |
報告書 | 概要版 | 概要版(477KB) |
詳細版 | 本文 (1.7MB) 本文 (8.1MB) | |
概要 | ・液晶メーカーにおけるTFT-LCD製造工場(*1)では、エッチング及び洗浄工程で代替フロンガス(CF4,CHF3,SF6,NF3)が使用され、その多くが未処理のまま大気中に放出されている。これら放出ガスの地球温暖化係数が極めて高いことから温暖化防止という観点から、その対応が望まれる。 ・しかし、液晶の需要拡大が続く中、大幅な設備増強が行われており、大気中に放出される代替フロンガスの増加が見込まれることから、その効果的な抑制等のCDM事業化を図ることが本プロジェクトの目的である。 ・TFT-LCD*製造工場で使用される代替フロンガスの排出を抑制するためには、代替ガスの開発や新プロセスの開発等の対策がある中で、代替フロンガスを分解し無害化する除害装置の設置が有効である。 ・本プロジェクトは、日本のCDMプロジェクト実施者が韓国のTFT-LCD製造企業へ除害装置を設置し、排出権を獲得するものである。 (*) TFT-LCD:Thin Film Transistor Liquid Crystal Display(画素1つ1つにスイッチ機能を有する半導体が形成されている液晶.) | |
ベースラインの設定・追加性の証明 | ・現行及び過去の排出実績に基づくもので、排出削減量は実際に代替フロンガスを破壊した量とする。 | |
GHG削減量 | ・218,333 t-c/年 ・TFT-LCDの年間生産量は、最も多く生産されている第5世代(1000㎜×1200㎜)で、生産効率の面で理想的といわれている月産3万枚の生産ライン2本とした。 | |
モニタリング | ・基本的には、TFT-LCD製造工程の中で、チャンバーから排出される使用済み代替フロン排出量と除害装置における代替フロン破壊量を計測するものである。 ・代替フロン削減量を可能な限り正確に把握するためには、 モニタリング体制を構築し、データの測定は定期的に行ない整理・分析する。 ・TFT-LCD製造で使用した代替フロンガスの測定方法としては、「2002年PFC排出削減技術調査結果報告書」(平成15年6月 JEITA 電子デバイス地球温暖化対策実行委員会PFC排出削減・測定WG)による『測定ガイドライン』を利用する。 ・測定方法は、インテルプロトコルに準ずるものとする。 ・簡易に計測するため、インテルプロトコルを補完するFT- IRを用いた計測方法により測定を行う。 | |
環境影響等 | ・使用済み代替フロンガスを除害装置内でスクラバーに通した後の排水の処理が課題になる。しかし、TFT-LCD製造工場全体の排水と合わせて処理することが可能である。 | |
事業化に向けて | ・排出権価格7US$であれば事業期間7年で25%、10年で31%となることから、事業として成立するものと考えられる。排出権価格9US$では、5年目でも充分に事業として成立しうる。 ・したがって、排出権価格が5US$では先に挙げた考慮していない経費を差し引くと事業として成立しないが、排出権価格が7US$~9US$の範囲であれば必要経費を差し引いても事業が成立しうると考えられる。 ・なお、韓国環境部は排出権利益の1/2を韓国側事業者に還元してほしいとの意見があることから、本プロジェクトを推進する際は、日本側事業者の理解を得る必要がある。 |