調査名 | 中国・雲南省における合成アンモニア工場三廃混焼炉プログラムCDM事業調査 | |
調査年度 | 2009(平成21)年度 | |
調査団体 | イー・アンド・イー ソリューションズ株式会社 | |
調査協力機関 | 日本テピア株式会社 | |
調査対象国・地域 | 中国(雲南省) | |
対象技術分野 | その他 | |
対象削減ガス | 二酸化炭素(CO2) | |
CDM/JI | CDM | |
プロジェクト実施期間/クレジット獲得期間 |
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報告書 |
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プロジェクトの概要 | 中国の合成アンモニアの生産プロセスにおいては、石炭、コークスなどが原料及び蒸気製造燃料として用いられているが、現行技術は燃焼効率が悪く、未燃焼部分は大量の廃ガス、廃スラッジ(燃え殻)、廃フライアッシュ(飛灰)の形で利用されることなく廃棄されてきた。 本プロジェクトは、これら三種の未利用廃棄物(廃ガス、廃スラッジ、廃フライアッシュ)を石炭と混焼・熱回収する『三廃混焼炉技術(以下、三廃炉)』を導入することで従来型の石炭焚きボイラーを代替し、エネルギー利用効率の向上により化石燃料の代替・削減を行うことでCO2排出量を削減するものである。 雲南省内には現在23の合成アンモニア生産プラントが稼動中であるが、このうち三廃混焼炉技術の適用が可能な19サイトを対象としてプログラムCDM化を図る。 | |
適用方法論 | AMS-II.D “Energy efficiency and fuel switching measures for industrial facilities”(Version 12) | |
ベースラインの設定 | 本プロジェクトのベースラインは小規模方法論AMS-II.D “Energy efficiency and fuel switching measures for industrial facilities”(Version 12)に基づき設定された。 プロジェクトが実施されない場合、エネルギー生産手段として中国における合成アンモニア生産プロセスでの一般技術である蒸気ボイラーが導入される。蒸気ボイラーのエネルギー効率は三廃炉より低いことから、両者のエネルギー効率の差が省エネルギー効果となり、温室効果ガスの削減となる。 | |
追加性の証明 | 本プロジェクトにおいて導入される三廃混焼炉は、これまで雲南省内における導入事例がモデル事業1件のみの新規性の高い技術であり、技術面における追加性が存在する。また、具体的なCPAについてのIRR計算結果は、中国の化学工業・肥料工業分野におけるセクターハードルレートである9%を下回り、投資バリアの存在が証明された。 | |
GHG削減想定量 | 具体的CPAサイト:48,836tCO2/年、 PoA全体:約30万tCO2/年 | |
モニタリング | 適用方法論に基づきモニタリングを行う。主なモニタリング項目は以下のとおり。
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環境影響等 | 三廃炉の環境負荷は、基本的にはベースラインである石炭ボイラに比べ少なく、廃棄物のリサイクルも促進される。また、石炭の消費量が減少することで、エネルギーコストの削減につながる。環境影響は軽微であることから、中国では環境影響評価表の作成・評価(簡易評価)で対応可能である。 | |
事業化に向けて | CPA対象サイトにおいては事業者側が三廃炉の導入とCDMの実施に対して高い関心を示しており、事業化の見込みは高い。また、雲南省内のアンモニア工場においても導入に興味をしめしている複数の工場がある。 現在CPAサイトについては、導入のための基本設計と交渉が行われている。 | |
環境汚染対策効果 | 三廃炉の導入によって石炭消費量が減少し、SOx及び廃棄物発生量の減少効果が期待できる。特に焼却灰はセメント原料として100%リサイクル可能である。 CPAにおける事前推計では、ベースラインと比して341tSO2/年の硫黄酸化物の削減と、8,405tの廃棄物削減効果が期待できる。 |