調査名 | カンボジア・オフグリッド電力に関する標準化ベースライン開発を伴うバイオマス発電CDM実現可能性調査 |
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調査年度 | 2011年度 |
調査団体 | 日本エヌ・ユー・エス株式会社 |
調査協力機関 | 兵庫県立大学 佐々木研究室 Mekong Carbon社 プレアビヒア機構 |
調査対象国・地域 | 2011 |
対象技術分野 | バイオマス利用 |
対象削減ガス | 二酸化炭素(CO2) |
CDM/JI | CDM |
報告書 | 概要版 詳細版 - 添付資料(標準化ベースライン(案)・新規方法論等) PDD →参考PPT資料 |
プロジェクトの概要 | 本プロジェクトはカンボジアのプレアビヒア州において、プランテーションによって確保する草本系バイオマス及び森林整備のための択伐から得られる木質バイオマスを燃料とした総設備容量50MWのバイオマス発電プラントを導入するというものである。 電力グリッドの整備されていない地域において、プランテーションによってバイオマス燃料を調達して実施する発電プロジェクトに適用可能な方法論は存在しない。さらに、カンボジア国内には未電化地域が多数存在することから、本調査においてオフグリッドのバイオマス発電プロジェクトに適用できるような標準化ベースラインの開発を行う。 |
適用方法論 | 新方法論 |
ベースラインの設定 | UNFCCCの方針に従い、DNAと協議をしつつ、標準化ベースラインの開発を行った。対象分野はグリッドシステムに接続されていない地域での発電事業とした。地方部の独立電源事業者の大部分が200kW未満であるため、200kWのディーゼル発電機の使用をベースラインシナリオとした。標準化ベースラインの排出係数は0.81 tCO2/MWhとなった。 |
モニタリング | 本プロジェクトのモニタリングは、標準化ベースラインを適用した新方法論に従うことになる。新方法論のベースとなるAM0042、及び方法論パネルで検討中の新方法論に指定されているモニタリング項目を参考に項目を設定した。 |
GHG削減量 | 120,998tCO2/年 |
プロジェクト実施期間/クレジット獲得期間 | 2013年に着工を開始し、プロジェクト実施期間は25年、クレジット獲得期間は21年を想定している。 |
環境影響等 | 環境影響については、5MWよりも大規模な発電事業はカンボジア王国「環境保護及び資源管理法」及び「環境影響評価(EIA)プロセスに関する閣僚会議令」(Sub-Decree No. 72 ANRK.BK)において事業者による環境影響評価が義務付けられている。 |
追加性の証明 | 追加性の証明は開発した標準化ベースラインに従うことになる。標準化ベースラインでは、対象国がLDCであるカンボジアのため、5MW以下のプロジェクトについては「マイクロスケールプロジェクトの追加性証明ガイドライン(Guidelines for demonstrating additionality of microscale project activities)」(UNFCCC)の適用となり、追加性の証明が免除される。5MWを超える規模のプロジェクトに関しては追加性の証明が必要となるが、標準化ベースラインの趣旨である「手続きの簡素化」を確保するため、ポジティブリスト方式を採用した。 |
事業化に向けて | 2013年度中に320kWバイオマスガス化コジェネレーション設置工事を開始し、2015年には、10MWバイオマスコジェネレーションの1号機を導入することを目指している。 |
「コベネフィット」効果 (ローカルな環境問題の改善の効果) | 本プロジェクトの実施により、ディーゼル発電による硫黄酸化物及び煤塵の発生量が大幅に削減されると考えられる。 |
ホスト国における持続可能な開発への寄与 | 燃料となるバイオマスの収穫を現地住民に請け負ってもらうことが現地の雇用創出へと繋がり、持続可能な開発に貢献できると考えられる。 また、ディーゼル発電が中心の電力供給に対して、現地での燃料調達が可能で、かつCO2排出及びその他の汚染物質の排出が極めて少ないバイオマス発電の導入は、大気汚染の防止を中心とした環境の改善に寄与することができ、持続可能な開発へも大きく貢献することができると考えている。 |