マレーシア・イポ市における廃棄物中間処理及びメタンガス発電の複合CDM実現可能性調査

公益財団法人 地球環境センター

CDM/JI事業調査結果データベース

調査名マレーシア・イポ市における廃棄物中間処理及びメタンガス発電の複合CDM実現可能性調査
調査年度2010(平成22)年度
調査団体八千代エンジニヤリング株式会社
調査協力機関鹿島建設(株)、(社)日本プラント協会;
LTC ALAM BERSIH SDN. BHD. (LTC社)、イポ特別市
調査対象国・地域マレーシア(ペラ州イポ特別市)
対象技術分野廃棄物管理
対象削減ガスメタン(CH4)、二酸化炭素(CO2)
CDM/JICDM
プロジェクト実施期間/クレジット獲得期間
  • 埋立処分場ガス(LFG)回収・利用:プロジェクト実施期間=7年、クレジット獲得期間=7年
  • 有機性廃棄物のコンポスト化(MBT):プロジェクト実施期間=10年、クレジット獲得期間=10年
報告書
プロジェクトの概要マレーシア国ペラ州イポ特別市の最終処分場において、①有機性廃棄物の好気性処理(コンポスト化)、②埋立処分場ガス(Landfill Gas: LFG)回収・エネルギー利用、及び③最終処分場の浸出水質の改善を確認し、ゴミの安定処理を実施するものである。この①及び②を複合的に実施し、当該国の公害対策となる「処分場周辺域の環境改善、ごみ減容・減量による処分場の延命化」及び「CDMによる温室効果ガス削減」というコベネフィット型CDMの実現を目的とする。
適用方法論
  • 処分場のLFG回収・利用:ACM0001(version 11)
  • 有機性廃棄物のコンポスト化(MBT):AM0025(version 12)
ベースラインの設定処分場のLFG回収・利用:
  • LFGの大気への放出
  • 既設または新設のグリッド接続された発電所

有機性廃棄物のコンポスト化(MBT):
  • LFGを回収しない処分場へのごみの投棄
追加性の証明 本プロジェクトと類似のものが実施される見込みはなく、CDMプロジェクトとして登録されることは、本プロジェクトの実施に不可欠であるため、本プロジェクトには追加性があると判断できる。
GHG削減想定量
  • 処分場のLFG回収・利用:400,995tCO2
  • 有機性廃棄物のコンポスト化(MBT):44,455tCO2
モニタリング処分場のLFG回収・利用:
  • 実際に回収されたメタン量(MDproject, y
  • フレア燃焼されたメタン量(MDflare,y
  • 発電に使用されたメタン量(MDelectricity, y
  • LFGを利用して発電された電力量(ELLFG, y、ETLFG,y
  • プロジェクト活動に伴い消費されるエネルギー等

有機性廃棄物のコンポスト化(MBT):
  • プロジェクト活動に伴う電力(EGPJ, EF, y
  • 燃料消費量(Fcons, y
  • コンポスト生産量(Mcompost
  • コンポストプロセスの酸素欠乏サンプル数等
環境影響等 既設処分場内に施設を建設するため、環境影響評価(EIA)は不要であり、Preliminary EIAと称する簡易環境レポートの提出で問題ないことを確認。
事業化に向けて CDM事業実現に向け、利害関係者の調整がまだ不十分であると言える。この状況に加え、イポ市では新規処分場建設計画が浮上しており、詳細内容はまだ決定していないが、今後プロジェクト実施に多大な影響が予測される。このことから、技術面・資金面での事業化可能性は十分にあるが、社会情勢や利害関係者の意向を確認した上で、最終的な事業化見込みを判断する必要がある。
「コベネフィット」効果
(ローカルな環境問題の改善の効果)
  • 公害対策となる処分場周辺域の環境改善(臭気の改善、排水中のCODの改善)
  • ゴミ減容・減量による処分場の延命化
ホスト国における持続可能な開発への寄与-