調査名 | タイ・チョンブリ県・ラムチャバン廃棄物最終処分場における準好気処理CDM事業調査 | |
調査年度 | 2009(平成21)年度 | |
調査団体 | 東急建設株式会社 | |
調査協力機関 | 福岡大学、カセサート大学、Ch.Karnchang-Tokyu Construction Co.,Ltd. | |
調査対象国・地域 | タイ(チョンブリ県) | |
対象技術分野 | 廃棄物管理 | |
対象削減ガス | メタン(CH4) | |
CDM/JI | CDM | |
プロジェクト実施期間/クレジット獲得期間 | 2011年~2016年/2011年~2016年(6年間) | |
報告書 | ||
プロジェクトの概要 | タイ国チョンブリ県ラムチャバン市にあるラムチャバン処分場(約6ha)を対象サイトとする。同処分場はラムチャバン市が所有、管理しており、現在も運営中であるが、一部埋め立てが完了し閉鎖されたエリアを有する。従来からオープンダンピング方式で埋め立てられているため、嫌気的状態であることは明らかであり、多くのメタンガス(CH4)を放出していることが予想される。本プロジェクトでは、同処分場に通気と排水のための鉛直管と水平管を設置することで、嫌気的状態から準好気的状態に改善する。これにより、廃棄物の分解を促進するとともに、CH4の発生を抑制する。本プロジェクトの実施により、2011年~2016年の6年間平均で14,499t-CO2/年の温室効果ガスの削減が見込まれる。プロジェクトはホスト国に設立する本事業に特化したSPCが実施し、2010年末に工事を完了する予定である。 | |
適用方法論 | 新規方法論を適用。準好気改善を目的とした新方法論を、NM0314およびAM0083を参考に作成したものを適用する。 | |
ベースラインの設定 | ベースラインシナリオは、現状のままである「温室効果ガスを回収あるいは燃焼をしない、又は一部しか回収・燃焼をしない」ものを適用する。 プロジェクトバウンダリーは、プロジェクト実施前後で状況に変化はなく、廃棄物処分場から排出されるメタンガスのみを対象とする | |
追加性の証明 | ベースラインシナリオとして考えられる、「CDMなしでの改善」、「ガスの発電・ガス配給」、「掘削後再処理」の案は、経済性及び技術的観点から実施される見込みはなく、CDMを適用することでクレジット収入が得られる選択肢「温室効果ガスを回収あるいは燃焼をしない、又は一部しか回収・燃焼をしない」が唯一適用可能なものであり、追加性がある。 | |
GHG削減想定量 | 86,993tCO2/年 | |
モニタリング | モニタリング方法は、新規提出の新方法論によるものを適用する。 ガス排出量に関しては、鉛直通気管及び地表面について測定を行う。また、周辺環境状況把握として実施する廃棄物処分場からの浸出水の水質及び周辺の臭気を測定する。 通気管からの排出量は、流速・濃度を全通気管で測定する。 地表面からの排出量は、チャンバー法を用いてサンプリングで測定する。 測定間隔は、現地が熱帯性の気候の属し雨季と乾季に大別されることより、この2つの季節で測定を実施する。 | |
環境影響等 | 本プロジェクトの実施により、処分場からのメタンガスの削減、浸出水・臭気の改善等が図られるため、環境への影響はない。 その他、経済面・社会面についての悪影響はない。 | |
事業化に向けて | 本事業の特性としてCERの売却収入以外の収益がないため、CERの売却単価が事業化のポイントとなる。CERの売却単価が@1,800円/tCO2前後であれば、事業化できる見込み。 | |
環境汚染対策効果 | 浸出水や臭気の改善等が実現できることから、ホスト国の改善環境ニーズに貢献できる。また、コベネフィット分野としては、「廃棄物の適正処理の実施」に相当する |