調査名 | ベトナム・ラムドン省における小規模水力発電CDM事業調査 | |
調査年度 | 2009(平成21)年度 | |
調査団体 | 北海道電力株式会社 | |
調査協力機関 | HDM社、IE(ベトナムエネルギー研究所)、現地CDMコンサル、DOE(指定運営機関) | |
調査対象国・地域 | 再生可能エネルギー(水力発電) | |
対象技術分野 | 廃棄物管理 | |
対象削減ガス | 二酸化炭素(CO2) | |
CDM/JI | CDM | |
プロジェクト実施期間/クレジット獲得期間 | 2011年~2040年(30年)/2011年~2031年(7×3=21年) | |
報告書 | ||
プロジェクトの概要 | 本プロジェクトは、ベトナム・ラムドン(Lam Dong)省において、4MWの水力発電所を建設し,得られた電力をベトナム電力公社(EVN)が所有するグリッドに接続して売電するものである。 | |
適用方法論 | AMS-I.D.(Version 14) | |
ベースラインの設定 | 本プロジェクトは、発電出力4MWの小規模水力発電プロジェクトで、ベトナムの電力グリッドに売電することから、承認済み小規模方法論AMS-I.D「Grid connected renewable electricity generation(Version14)」を適用する。ベースラインシナリオは、当該プロジェクトが発電する電力量分をベトナムの電力グリッドから供給することである。また、プロジェクトバウンダリーは、当該発電設備とベトナムの電力グリッドである。 | |
追加性の証明 | 本プロジェクトは、小規模CDMプロジェクトであることから、「小規模CDMプロジェクト活動に関する簡易実施手順の添付資料B付属書類A(Attachment A to Appendix B of the simplified modalities and procedures for small scale CDM project activities)」を用いて、追加性の証明を行う。 本プロジェクトの主なバリアは、その他のバリアの財務バリアであり、ベンチマーク分析によってこれを証明する。ベンチマークは、ベトナム民法に基づく最大商用貸出利率を用い、本プロジェクトの投資判断時の利率である13.125%とした。 本プロジェクトのIRRは、CDMによる収入が無い場合10.23%であり、ベンチマークの13.125%よりも低い。したがって、CDMによる収入が無い場合、本プロジェクトには財務バリアが存在する。 | |
GHG削減想定量 | 11,000tCO2/年 | |
モニタリング | 本プロジェクトのモニタリング項目は、電力グリッドへ供給する電力量である。電力量は、電力グリッドとの接続点である変電所内に設置される電力量計で計測する。また、バックアップ用の電力量計を別途設置する。計測値のクロスチェックは、EVNへの売電の領収書を用いて行う。電力量は、連続的に計測し、毎月、紙媒体及び電子データで記録を保管する。全ての記録は、第一クレジット期間終了後最低2年間は保管する。 | |
環境影響等 | ベトナムのガイドラインでは、1,000,000m3以上の貯水容量を持つ水力発電所について、環境影響評価(EIA)が求められている。本プロジェクトの貯水容量は127,000m3で、上記の数値を下回るため、EIAは求められていないものの、環境保護確約書(Environmental Protection Commitment)が必要となる。既に環境保護確約書を2007年7月に策定し、関係機関や地元住民の承認を得ている。その他の間接影響について、マイナスの影響はない。 | |
事業化に向けて | 本プロジェクトは、プロジェクトオーナーによりローカル銀行との融資契約を締結し、建設が開始しており、事業化の見込みは高いと考えられる。 | |
環境汚染対策効果 | 本プロジェクトは水力発電案件であり、『コベネフィット定量評価マニュアル』において、グリッド火力発電のSOx、NOx、煤塵の排出削減量を対象に評価方法が記載されている。しかしながら、EVNへのヒアリングの結果、ベトナムの火力発電所においてSOx、NOx、煤塵の排出規制(TCVN7440:2005)はあるものの、報告義務がなく、計測が行われていないことが分かった。そのため、コベネフィット定量評価マニュアルに基づく評価は困難である。 | |
持続可能な開発への貢献 | 本事業を実施することによって、雇用が創出される。また、アクセス道路の建設により、周辺農地へのアクセスが向上する。 |