調査名 | ベトナム・澱粉加工工場廃水処理及びエネルギー利用CDM事業調査 | |
調査年度 | 2008(平成20)年度 | |
調査団体 | 鹿島建設株式会社 | |
調査協力機関 | - | |
調査対象国・地域 | ベトナム(ニンビン省、クアンナム省) | |
対象技術分野 | 廃棄物管理 | |
対象削減ガス | メタン(CH4)、及び二酸化炭素(CO2) | |
CDM/JI | CDM | |
プロジェクト実施期間/クレジット獲得期間 | 2011年~2017年/2011年~2017年 | |
報告書 | ||
プロジェクトの概要 | 本プロジェクトは、ベトナム社会主義共和国のタピオカ澱粉加工工場を対象とし、有機性の工場廃水から放出されるバイオガス(メタンガス)を回収しエネルギー利用するものである。メタン発酵装置(被覆式ラグーン)を新設し、バイオガスを回収・燃焼(破壊)することにより、既存廃水処理施設(嫌気性開放型ラグーン)からのメタン発生を回避し、またバイオガス燃焼エネルギーを既存工場の澱粉乾燥工程で燃料として用いている石炭と代替することにより、既存化石燃料からの温室効果ガスの排出を回避する。 | |
ベースラインの設定 | 本プロジェクトには、承認済小規模方法論AMS III.H “Methane Recovery in Wastewater Treatment (version 10)”及びAMS I.C “Thermal energy for the user with or without electricity (version 13)”を適用する。本方法論に基づくと、現状維持、すなわちAMS III.H.においては、既存の嫌気性開放型ラグーンからメタンガスが発生し大気放出される状態、AMS I.Cにおいては乾燥工程において石炭燃焼し二酸化炭素が大気放出される状態がベースラインシナリオと同定される。 | |
追加性の証明 | 適用方法論に基づき、投資障壁について検証した結果、両プロジェクトともにCER売却益が無ければ収益性に乏しく事業が実施されないことが明らかとなったため、両プロジェクトともに追加性があると判断できる。 | |
GHG削減想定量 | プロジェクト1(ニンビン省):11,870tCO2/年 プロジェクト2(クアンナム省):16,449tCO2/年 | |
モニタリング | 適用方法論に基づく主なモニタリング項目は以下のとおりである。
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環境影響等 | ベトナム国の環境影響評価(EIA)制度に基づくと、両プロジェクトともEIAの実施対象事業「澱粉加工工場(年間想定生産量:1,000トン以上)」に該当するため、環境影響報告書の作成が必要となる。ただし、プロジェクト実施による環境への悪影響はほとんど無いと想定される。 | |
事業化に向けて | 調査における事業性評価の結果、いずれのプロジェクトも事業収益性は良くない。プロジェクト1(ニンビン省)については、諸条件が好転しても事業化の見込みは小さい。プロジェクト2(クアンナム省)についても辛うじて事業収益性を確保している状況であるが、環境的な側面から工場側の事業実施意思が強いこともあり、事業化対象として、有効化審査、両国政府承認、国連登録等のCDM手続きを進めるとともに、施設の詳細設計、運営会社設立準備等の事業化への準備作業を進め、できるだけ早いプロジェクトの実現を目指す予定である。 | |
コベネフィットの実現 | 本プロジェクトを対象とし、臭気、水質、大気の各項目について公害防止効果指標を定め、それぞれの指標に重み付けをすることにより公害対策効果を総合的に評価する手法を提案した。 |