調査名 | マレーシア・パーム搾油工場廃棄物のコンポスト化によるメタン発生抑制事業調査 | |
調査年度 | 2007(平成19)年度 | |
調査団体 | 株式会社大和総研 | |
調査協力機関 | シーオートラッド株式会社 | |
調査対象国・地域 | マレーシア(サバ州) | |
対象技術分野 | バイオマスの利用 | |
対象削減ガス | メタン(CH4) | |
CDM/JI | CDM | |
プロジェクト実施期間/ クレジット獲得期間 | 2009~2029/2009~2015(最初のクレジット期間:7年間) | |
報告書 | ||
プロジェクト概要 | 世界有数のパーム生産国であるマレーシアでは、パーム搾油工程において大量のバイオマス廃棄物と廃水が生じている。本プロジェクトは、パーム搾油工場から廃棄される空果房(EFB:Empty Fruit Bunches)および廃水(POME:Palm oil mill effluent)を有機肥料化し、当該バイオマス廃棄物および廃水から発生する温室効果ガス(メタン)の発生を抑制する事業である。 導入技術は畜糞および生ゴミ用に日本で開発され実用化されている全自動リニアターナー式コンポストシステム(EFB処理量400m3/日で設計)であり、現地における当該技術水準の向上に貢献するものである。 | |
ベースラインの設定・追加性の証明 | 本プロジェクトにおいては、小規模方法論AMS.Ⅲ.F/ver.5を適用した。 以下の代替シナリオについて、投資バリア、技術バリア、普及度バリアの分析を行い、シナリオEFB-2、シナリオPOME-3をベースラインとして同定し、EFB-POME-4の追加性を証明した。
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GHG削減量 | 最初のクレジット期間(2009~2015年 7年間)における合計GHG削減量:219,721t-CO2e
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モニタリング | 方法論AMS.Ⅲ.F(ver.5)に基づきモニタリング項目を設定した。 | |
環境影響等 | 本事業の実施にあたっては、1987年環境影響評価に関する環境命令に定められている19の対象事業に該当するものがないため、環境影響評価を実施する必要はない。 一方、本プロジェクトはメタン削減効果の他に、POMEのおよそ70%をコンポスト製造に利用することから、河川への廃水量そのものを削減することができ、水質悪化、河川の臭気の問題にも貢献する。また、製造されるコンポスト利用により、現在使用されている化学肥料を削減することが可能となり、土壌改良に貢献する。以上のことは、温室効果ガス削減のコベネフィッツと考えられるものであり、マレーシアの持続的開発にも貢献するものである。 | |
事業化に向けて | 今後の課題として以下3つをあげる。 (1)現地化(ローカライズ)によるコストダウン 現地コンサルおよび現地施工会社との協議により、製品製造および工事においてローカライズする範囲を拡大し、導入コスト削減を図る。 (2)POMEを用いたサンプルテストの実施 今回はEFBのみのサンプルテストを実施したが、マレーシア国にてPOMEを用いたサンプルテストを実施することで、より現実に則した特性や導入効果データを得る。 (3)コンポスト価値の向上(3)-(i)コンポストの施肥効果の明確化
(3)-(ii)コンポスト品質向上による価値の向上
(3)-(iii)コンポスト外販ルートの検討
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