調査名 | ベトナム・ホーチミン市における公共照明システム効率向上事業調査 | |
調査年度 | 2007(平成19)年度 | |
調査団体 | 三菱UFJ証券株式会社 | |
調査協力機関 | The Energy Conservation Center、Ho Chi Minh City (ECC) | |
調査対象国・地域 | ベトナム・ホーチミン市 | |
対象技術分野 | 省エネ | |
対象削減ガス | 二酸化炭素(CO2) | |
CDM/JI | CDM | |
プロジェクト実施期間/ クレジット獲得期間 | 2008~2014:最初のCPA(CDMプログラム活動)について(7年間)、その後2回更新可能 2008~2035:PoA(活動プログラム)について(28年間) | |
報告書 |
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プロジェクト概要 | 本プロジェクトは、ベトナム・ホーチミン市の公共照明システムの効率を改善し、消費電力削減を図るものである。効率の向上は、高効率の電球の導入や、照明の配置の改善によって行われる。本プロジェクトは、まず、ホーチミン市内の2ヶ所の区で新照明システムを設置し、事業の効果と便益を評価した上で、他の路地および区に事業を拡大し、最終的にはホーチミン市全体に高効率公共システムを導入する予定である。本調査ではプログラムCDMとしての事業実施可能性を調査する。 | |
ベースラインの設定・追加性の証明 | ベースラインの設定: 本プロジェクトでは小規模CDM簡易方法論AMSⅡ.C「需要側での特定技術を用いたエネルギー効率計画」を適用する。 追加性の証明: 本プロジェクトがベースラインシナリオになり得ない原因として、投資バリアと一般的な習慣に起因するバリアをあげ、本プロジェクトの追加性を論証する。 本プロジェクトの対象となる市民照明システムは、住民が自ら設置した自主的な照明システムで、政府や電力公社によって管理されていない。新しい照明システムを導入することは、設計、および初期の設備投資がバリアとなっている。また、住民は自ら照明を購入し、必要に応じて設置しているが、電気料金は払っていない。したがって、住民が省エネのために価格の高い高効率の電球に買いかえるということは考えにくい。したがって、CDMプロジェクトがなければ、このような活動は起こり得ないといえる。 | |
GHG削減量 | 第2区と第3区の24路地における本CPA(CDM Programme of Activities)によるGHG削減量は7年間で172.2トンである。 | |
モニタリング | 小規模CDM簡易方法論AMSⅡ.C「需要側での特定技術を用いたエネルギー効率計画」にしたがってモニタリング方法を決定する。モニタリングの主要項目は次の通りである。
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環境影響等 | 本プロジェクトはベトナムの環境影響評価(Environmental Impact Assessment: EIA)の実施対象とはならない。本プロジェクトによって生じる古い蛍光灯は、ECCが現地の廃棄物処理会社に委託して処理する。水銀など有害物質は適切に処理されリサイクルされる。したがって、本プロジェクトによる顕著な環境への負荷はない。 | |
事業化に向けて | 本プロジェクトは、将来的にホーチミン市全体で実施することを目標としている。しかしながら、市の予算は第2区と第3区におけるパイロット事業に対してのみである。また、CPAからのCER売却収入は、新たな路地や区で事業を実施するための初期投資を調達するには十分とはいえない。したがって、本事業が環境と社会にもたらす便益を実証することにより、事業の拡大とメンテナンス費用などについて、企業からのサポートを即すなど、資金調達の方法を考えることが課題である。 |