調査名 | フィリピン・通信会社ビル群省エネ普及CDM事業調査 | |
調査年度 | 2007(平成19)年度 | |
調査団体 | 鹿島建設株式会社 | |
調査協力機関 | 比国通信会社(匿名) | |
調査対象国・地域 | フィリピン・全国 | |
対象技術分野 | その他(省エネルギー) | |
対象削減ガス | 二酸化炭素(CO2) | |
CDM/JI | CDM | |
プロジェクト実施期間/ クレジット獲得期間 | 2009年~2036年(28年間)/2009年~2015年(7年間・延長あり) | |
報告書 |
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プロジェクト概要 | 本プロジェクトでは、フィリピンの通信会社をカウンターパートとし、所有するビル群の空調系と照明系を中心とする省エネ機器を導入することにより電力消費を低減させ、これによりCO2の削減にも寄与するCDMプロジェクトである。 | |
ベースラインの設定・追加性の証明 | ベースラインの設定 本プロジェクトは、承認小規模方法論AMS-II.E.、建物でのエネルギー効率・燃料転換手法を適用する。現在、フィリピンには既存建物における省エネを義務付けた法令等はない。また、フィリピンの一般的な企業では、ビルの維持管理に対する予算が十分になく、ビル施設・機器は壊れるまで使用し、省エネを目的とする更新はしないのが慣行である。したがって、省エネ活動が実施されない現状維持が、ベースラインであると特定された。 追加性の証明 各手法における投資回収期間を算定すると、全てフィリピンで通常の投資回収期間である2年を超えている。また省エネ型設備を導入しても本来業務の拡大にはつながらないため、経済的にも魅力はなく、CDMのクレジット販売収入のような追加の収入がない限り、本プロジェクトで提案している手法の導入が実施されることはないといえる。 | |
GHG削減量 | 調査結果により得られた条件を前提とし算出した結果、クレジット期間(7年間)における典型的なCPAによるGHG排出削減量は9,181tCO2e、PoA全体でのGHG排出削減量は合計10,000tCO2eと想定される。 | |
モニタリング | 小規模方法論AMS-II.Eに基づき、対象機器における消費電力のモニタリングをおこなう。 | |
環境影響等 | 本プロジェクトの実施に伴う主な環境影響は、工事期間に発生する廃機器にHFCや廃油等が含まれているケースである。これに対して、適切な回収・処理を行うことで対応可能である。設備供用期間については特に環境への影響は考えられない。 フィリピン環境影響ステートメントシステムの規定(DAO03-30)によると、EISは新規建築物などで必要とされており、ECC(環境保証証明書)取得済みの既存建物内での機器の更新やインバータの導入だけを実施する本プロジェクトは、EIS提出義務の対象とならない。したがって、本プロジェクトで必要な対応は、環境報告書及び管理計画(EPRMP)の作成と提出を行う。 | |
事業化に向けて | 本プロジェクトのカウンターパートは省エネに対する意識も高く、高い意欲を示している。しかし、事業化に向けては以下の課題が挙げられる。
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