調査名 | タンザニア国ジャトロファ・バイオディーゼル普及CDM事業化調査 | |||||||||||||||||||
調査年度 | 2006(平成18)年度 | |||||||||||||||||||
調査団体 | (株)建設企画コンサルタント | |||||||||||||||||||
調査協力機関 | タンザニア石油開発公社(TPDC)、Rajani Industries Ltd.、Diligent Tanzania Ltd、Marks Ltd.、KAKUTE Ltd | |||||||||||||||||||
調査対象国・地域 | タンザニア(ダルエスサラーム、アルーシャ) | |||||||||||||||||||
対象技術分野 | バイオマス利用 | |||||||||||||||||||
対象削減ガス | 二酸化炭素 | |||||||||||||||||||
CDM/JI | CDM | |||||||||||||||||||
プロジェクト実施期間/ クレジット獲得期間 | 2007~2022/ | |||||||||||||||||||
報告書 | ||||||||||||||||||||
プロジェクト概要 | プロジェクトは、タンザニア国北部キリマンジャロ山系南部で商業栽培が開始されたジャトロファから搾油されるジャトロファオイル(ジャトロファ原油:Crude Jatropha Oil – CJO)を原料として、メタノールとのエステル交換によりジャトロファ・メチル・エステル(Jatropha Methyl Ester – JME)をジャトロファ・バイオディーゼル(Jatropha Bio-diesel Fuel : JME-BDF)として生産するものである。JME-BDFはディーゼル燃料(軽油)の代替燃料として利用可能である。 JME-BDFをディーゼル燃料の代替燃料として10%軽油に混合して用いることにより、混合した量に相当する軽油消費量を減少させることができる。植物由来のJME-BDFはカーボンニュートラルであるから燃焼させても二酸化炭素を排出したとはみなされず、代替した分の軽油(化石燃料)の燃焼による二酸化炭素排出量にほぼ相当する二酸化炭素が削減されることになる。計画する日量100トン規模のJME-BDF製造プラントの稼働により年間約75,200トンの二酸化炭素排出量を削減することが可能となる。 プロジェクトはタンザニアにおける最初の商業規模バイオディーゼル生産事業のモデルプラントの実現であり、タンザニア北部地域で栽培されるジャトロファを組織的・商業レベルで搾油し一旦ジャトロファ原油とし、この原油を商都ダルエスサラーム近郊に建設するJME-BDF製造プラントにトラック又は鉄道で輸送の上、JME-BDFを生産する。製造されたジャトロファ・バイオディーゼルはダルエスサラームにおいて販売・流通する計画である。 | |||||||||||||||||||
ベースラインの設定・追加性の証明 | ・ベースラインの設定 2006年1月6日にUNFCCCに提出され、現在承認手続きが進められているベースライン方法論(NM0108rev: Production of biodiesel from perennial non-edible oil crops for use as fuel)を使用し、本CDMプロジェクトがなかったとした場合のベースラインシナリオは、(a)バイオディーゼルの生産プラント(「生産」)、および、(b)バイオディーゼルの消費者(「消費」)のそれぞれについて特定することとされている。提案プロジェクトでは、(a)バイオディーゼルプラントが建設されない、(b)消費者は現在使用している燃料を継続して使用する、が最も現実的なシナリオであり、これをベースラインシナリオとする。 ・追加性の立証 使用した方法論に従い、CDM 理事会による“Tool for the demonstration and assessment of additionality (Annex 1, EB16)”を用い、法に合致するプロジェクト代替案の特定、バリア分析、通常業務分析、CDM登録の効果を適用することで本プロジェクトの追加性を証明した。バリア分析においては、タンザニアにおけるバイオディーゼルプロジェクトは、未だ研究開発・実証試験段階にあり新しい技術であると認識されている。バリア分析においては、投資バリア、技術バリア、慣習によるバリアを分析した結果から提案プロジェクトの追加性を立証した。 | |||||||||||||||||||
GHG削減量 |
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モニタリング | ベースラインおよびプロジェクト排出量の算定に必要なプラントにおける入出力データをモニターする。これらには、バイオディーゼルの原料となる種子の量(重量、油含有量等)、オイルの購入量・生産量、アルコールの購入量・消費量、バイオディーゼルの生産量・販売量等が含まれる。これらのデータは、購入・販売記録や測定によって得る。なお、検証(verification)においては、DOEは、生産者の販売記録をクロスチェックするために、生産されるバイオディーゼルの主要な消費者あるいは小売者の購入記録のサンプルを用いる。また、モニタリングデータの収集と品質保証・品質管理の責任者は異なる者が担当することとする。全てのモニタリングデータは通常のQA/QC手順に従うこととし、そのうちのいくつかのパラメータは特別な手順を適用する。 | |||||||||||||||||||
環境影響等 | タンザニア国では法律により環境に影響を与えるプロジェクトでは環境影響評価(EIA)の実施が必要になる。50ヘクタール以上のジャトロファの単一栽培やJME-BDF製造・貯蔵施設の建設についてはEIAの手続きが必要になる。 | |||||||||||||||||||
事業化に向けて | 今後の課題: ・ジャトロファの栽培と原油生産のシステムの構築 ・JME-BDF生産に係る詳細技術と財務妥当性評価 |