調査名 | ベトナム・タピオカ澱粉加工工場メタンガス回収事業調査 | |
調査年度 | 2006(平成18)年度 | |
調査団体 | (株)東芝 | |
調査協力機関 | DAWU Rubber Tapioca Starch Corporation、VIETMA Co., Ltd. | |
調査対象国・地域 | ベトナム(タイニン省) | |
対象技術分野 | バイオマス利用 | |
対象削減ガス | 二酸化炭素, メタン | |
CDM/JI | CDM | |
プロジェクト実施期間/ クレジット獲得期間 | 2008~2022/ 2009~2022 | |
報告書 | ||
プロジェクト概要 | ベトナムのタイニン省にあるタピオカ澱粉加工工場において、既設の工場廃水処理設備を構成する開放ラグーン(処理池)からのメタンガス発生を低減するプロジェクト。ラグーン前段に密閉型メタン発酵槽を設置することで予め廃水からメタンガスを発生させて回収し、ラグーンからのメタンガス発生を低減する。 また、回収したメタンガスを生産工程(乾燥工程)で使用されている石炭の代替燃料として使用することで、石炭の燃焼に伴う二酸化炭素排出を削減する。 | |
ベースラインの設定・追加性の証明 | <ベースラインの設定> 承認方法論AM0013Version04(有機廃液処理施設からのメタン排出回避)のオプションAに従ってベースラインの設定を行った。 ・現在の処理システムは嫌気性開放ラグーン処理を含んでいるか? ⇒Yes ・現在の処理システムは、現在の環境基準を満足しているか? ⇒Yes ・将来の基準はシステムの改善を必要とするか? ⇒Yes/Maybe ・排出基準は池の追加によって満足できるか? ⇒Yes ・池を追加するための土地は準備できるか? ⇒Yes これにより、ベースラインは嫌気性開放ラグーンとなる。 <追加性の証明> 承認方法論AM0013Version04(有機廃液処理施設からのメタン排出回避)のオプションAに基づいて法的バリア,投資バリア,代替案の可能性について検証し、本プロジェクトが追加的であることを証明した。 | |
GHG削減量 | 承認方法論AM0013Version04(有機廃液処理施設からのメタン排出回避)に記載の計算式に従って、プロジェクト実施前の排出削減量を試算した。 - 期待されるベースライン排出量: 39,567 tCO2/yr - 期待されるプロジェクト排出量: 6,537 tCO2/yr - リーケージ: 0 tCO2/yr - 期待される排出削減量: 33,030 tCO2/yr | |
モニタリング | 承認方法論AM0013Version04(有機廃液処理施設からのメタン排出回避)に従ってモニタリング計画を行った。代表的なモニタリング項目は以下の通り。 - 原水流入流量・COD濃度 - ラグーン流入・流出COD濃度 - バイオガス流量・メタン濃度 - 乾燥設備における熱エネルギー,化石燃料消費量 - バイオガス燃焼設備におけるバイオガス流量,排ガス組成 | |
環境影響等 | 本プロジェクトに関わるプロジェクト設備の建設・運転は、環境への否定的な影響はなく、現在の環境状況の改善に貢献する。 - ラグーンからのメタン排出低減:工場従業員の労働環境改善,周辺住民の居住環境改善 - ラグーン流入水の水質改善:水質汚染の軽減 - 石炭燃焼による二酸化炭素及び硫黄化合物の排出低減:大気汚染の軽減 | |
事業化に向けて | 本事業調査結果により下記課題が明確になった。課題を解決することにより、具体的事業化を目指す。 1.設備のエンジニアリング、調達、建設に関わるコスト等を精査する。 2.SPC設立に向けてカウンターパートとの出資比率検討、実施体制の構築、技術提携の検討等を行う。 3.事業収益性が向上し、国連承認までの事務手続きの簡素化を図れる小規模CDMへの転換を検討する。 |