調査名 | 南アフリカ共和国におけるバイオディーゼルオイルリファイナリー建設計画調査 | |
調査年度 | 2004(平成16)年度 | |
調査団体 | 三井物産(株) | |
調査協力機関 | ABI社(オーストリア)、(有)クライメートエキスパーツ(日本) | |
調査対象国・地域 | 南アフリカ | |
対象技術分野 | バイオマス利用 | |
対象削減ガス | 二酸化炭素 | |
CDM/JI | CDM | |
実施期間 | クレジット獲得期間(CDM事業)10年間 | |
報告書 | 概要版 | 概要版 (352KB) |
詳細版 | 本文 (3.6MB) 本文 (5.2MB) | |
概要 | 南アフリカ共和国においてナンヨウアブラギリの種子を原料としてバイオディーゼルオイル(100,000T/Y)を製造し、同国化学会社に販売し、通常のディーゼルオイルと混合し使用せしめることにより、CO2排出量の削減、SO2排出量の削減を図ると共に、炭素クレジットの獲得を目指すもの。 更に、原料安定確保の観点からナンヨウアブラギリのプランテーションを設営する計画で、バイオディーゼルオイルリファイナリーの従業員並びに農園作業者として最終的に5万人程度の新規雇用創出が期待され、南アフリカに於ける失業率低下・地域振興にも貢献が期待される。 | |
ベースラインの設定・追加性の証明 | 1. ベースラインの設定 ライフサイクルアセスメントの手法を用い検討した結果、以下の通り設定する: ・ ナンヨウアブラギリ栽培による追加的二酸化炭素除去は無し。 ・ 提案プロジェクトのバイオディーゼル生産量に相当する化石燃料ディーゼルオイルが使用され、これにより温室効果ガスが排出される。 2. 追加性の証明 -技術的バリア: 南アフリカでは提案プロジェクトと同種のプロジェクトが現時点では一件も実行されておらず、技術的なバリアが存在する。 -経済的バリア: IRR試算結果では4.4%との結果がでている一方、南アフリカの長期金利が11.5%であることから、炭素クレジットが無ければ投資家にとり魅力的とは言えず、経済原則上のバリアが存在する。 -市場バリア: 現在は南アフリカでは提案プロジェクトで製造されるバイオディーゼルオイルは一切使用されておらず、需要家への浸透に関するバリアが存在する。 | |
GHG削減量 | GHG削減量=(ベースラインのGHG排出量)-(プロジェクトの総排出量) =370,000-110,000[tCO2eq/yr] =260,000[tCO2eq/yr] GHGの削減量は約26万トン/年[tCO2eq]。クレジット期間10年では260万トンのCO2の削減量となる。 | |
モニタリング | CO2の排出量に直接関係してくるパラメータに関してモニタリングを行う。主要な計測アイテムは下記の通り。 -製油所で使用する重油量 (kl) -バイオディーゼルの年間販売量 (kl) -輸送に使用する軽油量 (kl) -肥料の使用量 (ton) | |
環境影響等 | プロジェクト設備の建設に当たっては環境管理法に基づき環境影響評価を行う必要がある。 | |
事業化に向けて | プロジェクトを成功裏に実現させる為には、①有力な事業パートナーを見つけそのパートナーと共に、②原料ソースであるナンヨウアブラギリを安定確保する為のプランテーション運営が軌道に乗せること、③製品であるバイオディーゼルオイル及び副製品であるグリセリン・絞り粕の安定販売先を見つけること、④更に炭素クレジットを見込み通り取得出来、同クレジットの追加により収益性が見込めるプロジェクトとなることが重要。 |