公益財団法人 地球環境センター

理事長メッセージ

 公益財団法人地球環境センター(GEC)では、「開発途上国への技術的支援等の国際協力」や「地球温暖化対策への貢献」、「環境技術等に関する研修」などの地球環境保全のための事業推進はもとより、2015年9月の国連持続可能な開発サミットで採択された「持続可能な開発のための目標SDGs」の達成や、「パリ協定」に基づく温室効果ガス削減に向けて貢献することを目指し、幅広く活動を展開しています。
 2022年度においては、GECの設立目的でもある国連環境計画 国際環境技術センター(UNEP-IETC)との連携事業にかかる支援業務として、「IETC設立30周年記念イベント」やそれに関連する情報発信、ワークショップなどを大阪市と連携して開催しました。また、国連・政府・企業・市民等の横断的なプラットフォームである「UNEPサステナビリティアクション」を国内外へ展開するための取組みを進めたほか、世界的に大きな課題となっているプラスチック汚染対策に向け基本戦略を作成するなど、GECは今後とも積極的にUNEP-IETCとの連携支援を行ってまいります。
その他の国際協力では、2021年度に引き続き、アジアでの市場開拓を支援する「地域DX促進活動支援事業」や「水環境ビジネス推進」、「環境・エネルギー技術シーズ調査・普及啓発業務」等を行うことで、国や自治体の重要政策推進の一助となるよう支援を進めてまいります。
 一方、地球温暖化対策に関しましては、2021年10月に閣議決定された「2050年カーボンニュートラル」宣言において、2030年度46%削減目標等の実現に向け計画が改定されました。日本はこれまで、途上国との間の「二国間クレジット制度(JCM)」で、日本とパートナー国の二国間で削減プロジェクトを実施し、温室効果ガス削減量を二国間で分け合う取り組みを推進しており、これはパリ協定6条2項の協力的アプローチの代表事例として位置付けられております。
 GECは、JCMを推進するため、JCMに関連する様々な事業を積極的に展開することにより、海外での温暖化対策の取り組みを支援しています。2021年度に引き続き、JCMパートナー国で実施される温暖化対策プロジェクトへ資金支援する設備補助事業や、再エネが豊富な第三国において再エネ水素を製造し、島嶼国等への輸送・利活用を促進する実証事業などに補助金執行団体として取り組んでいます。また、、設備補助事業完了により設備の稼働が開始した事業について、JCMプロジェクトとしての登録からクレジット発行まで、JCMの一連の手続きを支援する取り組みも進めています。
 昨今、新型コロナウイルス感染症の脅威は未だなくならず、地球温暖化影響とも言われている局地的な豪雨や大型台風の多発、資源採掘等による環境問題や人権問題等が浮き彫りになってきております。食糧危機や災害の激甚化など深刻な被害を避けるためにも、温室効果ガス削減の取り組みを着実に進めていく必要があり、GECの役割はますますその重要性を増していくものと考えております。
私たちGECは、今後ともSDGsの達成やパリ協定に基づく地球温暖化対策に一層貢献するため、今まで以上に世界の動向を注視し、関係機関と連携・協力を進め、GECが保有する専門的な知識・経験並びに国内外のネットワークを活かして、積極的に活動を展開してまいります。
 皆様方には、GECの活動に対しまして変わらぬご理解とご支援を賜りますよう、お願い申し上げます。

2023年7月
公益財団法人地球環境センター
理事長 鈴木 直