調査名 | マレーシア・パームオイル廃液処理によるコベネフィッツCDM事業調査 | |
調査年度 | 2008(平成20)年度 | |
調査団体 | 東電環境エンジニアリング株式会社 | |
調査協力機関 | Kilang Kelapa Sawit Bukit Pasir Sdn. Bhd.、関西産業株式会社 | |
調査対象国・地域 | マレーシア(ジョホール州ムア) | |
対象技術分野 | 廃棄物管理 | |
対象削減ガス | メタン(CH4) | |
CDM/JI | CDM | |
プロジェクト実施期間/クレジット獲得期間 | 2010年~2019年/2011年~2020年 | |
報告書 | ||
プロジェクトの概要 | 本調査業務に於いて対象とするプロジェクトは、カウンターパートであるKilang Kelapa Sawit Bukit Pasir社が運営するBukit Pasirパームオイル工場を対象サイトとし、従来、嫌気性オープンラグーンで処理されているパームオイル廃液を、スクリューデカンタおよび凝集固化により固液分離することで、嫌気性処理によるメタンガスの生成を回避することを目的としたCDM 事業化調査である。なお、固液分離した固形分を工場内廃熱(余剰蒸気)を熱源とした乾燥装置により乾燥させ、工場内ボイラー設備の助燃材に転換する。 現状のベースライン時では、嫌気性ラグーン処理により廃液中のCODが減少すると同時に、大量のメタンガスが大気に放出されている。 本プロジェクトでは、嫌気性処理を最小限に抑える方法に転換し、最終段階での凝集固化にて、廃液をより完全に処理し、工場内での再利用に十分適する水質にするとともに、最終的にはCOD、BOD及びTSの排出基準を満たし、近隣の河川へ排出することが可能となる。 本プロジェクトを実施することにより、温室効果ガスの発生抑制につながるだけでなく、周辺の臭気低減効果、最終放流先の水質改善等の環境改善を図るコベネフィッツCDM事業として期待される。なお、流入COD 濃度 78,000mg/ℓ、年間廃液流入量 約145,000t と設定し、温室効果ガス排出削減量(ERy)を試算した結果、プロジェクト実施期間を通じたERyの平均はおおよそ年間 3.5万tCO2である。 | |
ベースラインの設定 | ベースラインシナリオは、承認済みの2つの小規模方法論および新方法論を適用する。
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追加性の証明 | プロジェクトの追加性は次のような障壁が考えられる。 ●投資障壁:
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GHG削減想定量 | 年平均35,038tCO2。350,380tCO2/10年間。 | |
モニタリング | モニタリング方法論については、ベースライン方法論と同様に小規模方法論の下記3つの方法論を適用する。
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環境影響等 | 本プロジェクトを実施することにより、温室効果ガスの発生抑制、周辺の臭気低減効果、最終放流先の水質改善および環境等に好影響を与えることができる。マレ-シア・ジョホール州での指定事業に対する境環境影響評価(EIA)については、1987年制定の環境影響評価に関する環境法令:環境アセスメント法「Environmental Quality (Prescribed Activities) (Environmental Impact Assessment) Order 1987」に基づき、その実施の必要性の有無を同州の環境庁 (DOEJ)が判断する。今回の DOEのヒアリングにより、本プロジェクトの場合は、同法に該当する項目の定めがなく、環境影響評価を実施する必要はない。 | |
事業化に向けて | 本プロジェクトでの設備機器は国際調達を行なう。初期投資額は、約1.1億円である。建設については、現地エンジニアリング会社の起用を想定している。排出権プライマリー市場でのCERs販売価格を参考に、11.40EURO/tCO2と設定し、また収入(CERクレジット)は、本プロジェクト実施により削減される 35,038tCO2/年相当分が、2011年より発行・取引され、かつ2013年以降も何らかの形での市場売却可能と仮定した。金利前・税前の条件で本プロジェクトのIRRを試算した結果、7年 IRR=▲8.3%、投資回収年数は10年であった。必要投資額の圧縮によるIRR の向上、2013年以降のCER市場の安定的継続、運転・保守管理主体の決定、リスク及びベネフィットの参加者間での責任分担についての取り決め等が今後の課題である。 | |
コベネフィットの実現 | (1)持続的開発効果-経済効果:
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