調査名 | 中国・バイオマス発電事業調査 | |
調査年度 | 2007(平成19)年度 | |
調査団体 | 株式会社日本総合研究所 | |
調査協力機関 | 日本テピア株式会社、山東省環境保護局、清華大学 | |
調査対象国・地域 | 中国(山東省) | |
対象技術分野 | バイオマス | |
対象削減ガス | 二酸化炭素(CO2)、メタン(CH4) | |
CDM/JI | CDM | |
プロジェクト実施期間/ クレジット獲得期間 | 2008~/2008~2015 | |
報告書 | ||
プロジェクト概要 | レンガ工場跡地にバイオマス発電所、収集施設等を建設する。2×15MWの発電機で麦や綿のわらや茎などを直接燃焼する。発電された電力は山東省のグリッドに売電され、グリッドに接続されている石炭火力発電所を代替する。本プロジェクトは、バイオマス資源の自然腐敗や焼却によって放出される温室効果ガス及び石炭火力発電所から発生する温室効果ガスを削減する。年間売電量は139GWh。年間温室効果ガス削減量は151,717t-CO2。 | |
ベースラインの設定・追加性の証明 | ステップ1:代替シナリオの特定 本プロジェクトは、新規導入プロジェクトであり、ACM0006「系統連系するバイオマス残渣発電のための統合方法論」を適用可能である。また、ACM0002「系統連系する再生可能エネルギー発電のための統合方法論」も適用可能である。発電に関する現実的で信頼できる代替シナリオはグリッド接続の発電所である。また、バイオマスの使用に関する現実的で信頼できる代替シナリオは、大気中に野積みされ、放置されているバイオマスであある。 ステップ2:現在の法律と規制との一致 発電所の建設については、経済成長による発電所の増加が見込まれているので、明らかに現在の法律と規制と一致している。また、バイオマスの使用についても、再生可能エネルギー促進法のような政策や規制と一致している。 ステップ3:投資分析 IRRはクレジットなしで6.97%であり、ベンチマークのIRRの8%を下回っている。 ステップ4:一般慣行分析 山東省には7つのバイオマス発電所の建設(予定)プロジェクトがあるが、一つのプロジェクトを除いてCDMプロジェクトとして申請(予定)されている。唯一、CDMプロジェクトとして申請していないバイオマス発電所は外国資本が所有しており、中国におけるCDMプロジェクトの資格を満たしていない。よって、本プロジェクトはBusiness as usual (BAU)では稼動しないと判断される。 | |
GHG削減量 | 年間ベースライン排出量 154,854t-CO2 年間プロジェクト排出量 3,137t-CO2 年間GHG削減量 151,717t-CO2 | |
モニタリング | ACM0006のモニタリング方法を適用する。全てのデータはモニタリングのために収集される。売電量、ベースライン排出量のパラメーター、プロジェクト排出量などのデータを記録する。電子媒体で保存され、最後の排出権発行年から少なくとも2年間は記録を保存する。 | |
環境影響等 | 主な環境汚染源は、排気ガス、廃水、残渣灰などの固形廃棄物、騒音である。本プロジェクトは2006年8月31日に、山東省の環境保護局の承認を受けている。環境影響評価では、中国の環境規制を満たしており、発電所及び周辺農家の両方に利益をもたらすものであると結論づけられている。 | |
事業化に向けて | 本プロジェクトは、CDMプロジェクトの条件を満たす。プロジェクトの実行に関する最終決定後、排出権取引に関する各々の責任者を即時に決定すべきである。 |