調査名 | フィリピン・マニラ首都圏における公共交通機関の燃料効率向上及び大気汚染緩和事業調査 | |
調査年度 | 2007(平成19)年度 | |
調査団体 | 三菱UFJ証券株式会社 | |
調査協力機関 | (財)フィリピン大学国家交通研究センター(UP-NCTSI) | |
調査対象国・地域 | フィリピン・マニラ首都圏 | |
対象技術分野 | 交通 | |
対象削減ガス | 二酸化炭素(CO2) | |
CDM/JI | CDM | |
プロジェクト実施期間/ クレジット獲得期間 | 2008~2017:最初のCPA(CDMプログラム活動)について(10年間更新なし) 2008~2035:PoA(活動プログラム)について(28年間) | |
報告書 |
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プロジェクト概要 | 本プロジェクトは、マニラ首都圏で走行する約6万台のジープニーのエンジンを新品に交換することにより、燃料効率を向上し、排出削減を達成するものである。 フィリピンでは、急速な人口増加や経済活動の発展により様々な環境問題に直面しており、特に、マニラ首都圏の大気環境は健康に被害を与え得る汚染レベルに達している上、増加の一途をたどっている。また、特に大気汚染の主要因は道路系交通機関によるものとされており、中でもジープニーの中古エンジンからの排出が一番の問題とされている。 本調査では、プロジェクトのプログラムCDMとしての事業実施可能性を調査する。 | |
ベースラインの設定・追加性の証明 | ベースラインの設定: 本調査において、適用方法論を検討した結果、新規に提案されている小規模方法論 SSC-149 Transportation Energy Efficiency Activities using Retrofit Technologies が最も可能性が高いことがわかった。当該方法論におけるベースライン排出量は、使用中の車両のエネルギー消費による排出である。 追加性の証明: 投資障壁と、一的慣行に起因する障壁に基づいて追加性をした。 | |
GHG削減量 | 本プロジェクトの最初のCPA(CDM Programme of Activities)からのGHG削減量は、年間2,728トンである。 | |
モニタリング | SSC-149 Transportation Energy Efficiency Activities using Retrofit Technologiesに基づいて、以下の項目をモニタリングする。
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環境影響等 | 本プロジェクトは、フィリピンの環境影響評価の対象とはならない。本プロジェクトの実施により環境に追加的な悪影響が及ぶことはない。 | |
事業化に向けて | 本プロジェクトは、ジープニーという、フィリピン独特の交通手段に関わるものであり、様々なステークホルダーとの調整が必要となる。また、プログラムCDMの長いクレジット期間に渡りCERを獲得していくためには、様々なステークホルダーについて熟知した調整管理組織の役割が重要であり、また、調整管理組織自体のキャパシティビルディグも必要となる。 また、本プロジェクトは、より多くのジープニーが参加することにより、その成果が大きくなるものであるが、今のところ、わずかな政府の予算以外には、公的資金の調達の目処は立っていない。また、本プロジェクトでは、一台ずつのエンジン交換のよるCER売却収入がわずかであり、新たなエンジンを購入するための資金には到底足りない。従って、プロジェクトによる環境や社会にもたらす効果を実証することにより、公的資金以外に加え、民間企業からの支援を募っていくことで、プロジェクトに必要なコストを確保する必要がある。 |