ブラジル製糖廃棄物エネルギー転換プロジェクト調査

公益財団法人 地球環境センター

CDM/JI事業調査結果データベース

調査名ブラジル製糖廃棄物エネルギー転換プロジェクト調査
調査年度2004(平成16)年度
調査団体(社)国際環境研究協会
調査協力機関ウニアルコ社
調査対象国・地域ブラジル
対象技術分野バイオマス利用
対象削減ガス二酸化炭素
CDM/JICDM
実施期間2006年~2026年
報告書概要版概要版 (117KB)
詳細版本文 (997KB) 本文 (2.9MB)
概要ウニアルコ社はブラジル国サンパウロ州西部にある。プロジェクトは現状の製糖廃棄物であるサトウキビの絞り粕、バガス燃焼させるボイラー、発電設備の能力を改善することによりブラジル電力網への電力供給を目指すものである。
プロジェクトのおける設備の改善による発電能力は30MWになり、そのうち自家消費6MWをのぞいて24MWが電力網へ供給可能となる。これによる年間供給電力量は104,299MWh(年間収穫期の半年稼働させる)となる。また、この工場は既設の電力網から隔離されているため、32kmの送電線工事を必要としている。
ベースラインの設定・追加性の証明ベースライン:2つのシナリオ、no-action及びself-sufficiencyが考えられる。この両者とも電力網には電力を供給する計画にはならない。そのため、ベースラインGHG排出量は、本プロジェクトで発電された電力により置換される電力の発電設備からの排出量とすることができる。したがって、温室効果ガス排出に関する要件としては、単純に直近3年間のoperation marginを調査して、調整することによりベースラインを算定することが可能である。
しかしながら、この計算による温室効果ガス排出量はプロジェクトによって生み出される温室効果ガス抑制量を過小評価する可能性が高い。このため、ブラジル政府が認め、外部機関の認証が得られるという条件の下でoperarion marginの供給量の分析により温室効果ガス削減量を決めることを提案することとしたい。

追加性:追加性の評価は「Tool for the demonstration and assessment of additionality」に従って夏季のように行った。
ステップ0:プロジェクト活動の開始日を基とした暫定的スクリーニング
ステップ1:現行法規に合致するプロジェクト活動代替案の特定
ステップ2:投資分析
ステップ3:バリア分析
ステップ4:一般的慣行についての分析
ステップ5:CDM登録の影響
GHG削減量ベースラインGHG排出量は、本プロジェクトで発電された電力により置換される電力の発電設備からの排出量とすることができるため、下記の量とすることができる。
104,299MWh×0.453t-CO2/MWh=47,247t-CO2/yr
(電力網への代替)
ただし、起動時に化石燃料使用量が必要な場合は。その使用量をモニタリングし、GHG排出量として計上する予定である。
モニタリングベースラインとなるGHG排出量は排出ファクターにより事前に計算されるため、主となるモニタリング項目は
電力網へ供給する電力量となる。
ただし、起動時に化石燃料使用量が必要な場合は。その使用量をモニタリングし、GHG排出量として計上する予定である。
環境影響等プロジェクト提案者はサンパウロ州にRAP(事前環境影響補評価書)を提出している。この環境影響評価書の結論は、このプロジェクトは地域資源の消費とならないこと、環境に影響を及ぼすことはないこと及び地域に貢献できることとなっている。
事業化に向けてこの事業提案者は、事業実施に対して力を入れている。既に、合意書(MOU)がCDM実施に向けて事業関係者間で交換されている。事業実施の障害の一つとしてブラジル銀行の高利息にある。CDM事業として実施することを可能とするためには、ブラジルでは主たる関係者、環境あるいは社会NGOを含む、を絡ませることが要求される。
備考仮バリデーション
予備的な審査(デスクレビュー)を実施した。ブラジルの持続的開発基準を参考としてAM0015に順じて改善点が示された。その他、説明の簡略化が技術の平準化も助言された。
このような要素を加味してPDDの改善を行ったが、実際にCDM事業を実施するためのPDDとして完成させるためには、調査レベルCにより更なる試行が必要となると考える。