令和4年度二国間クレジット制度資金支援事業のうち設備補助事業の公募における第五回採択案件の決定について

 公益財団法人地球環境センター(GEC)は、途上国等において優れた脱炭素技術等を活用して温室効果ガスの排出削減を行い、二国間クレジット制度(Joint Crediting Mechanism:JCM)に基づくクレジットの獲得を目指す「二国間クレジット制度資金支援事業のうち設備補助事業」の第五回採択案件として、令和4年7月公表の第一回採択16件、8月公表の第二回採択4件、9月公表の第三回採択5件、12月公表の第四回採択4件に加え、今般、新たに8件を採択しました。
今後も、「地球温暖化対策計画(令和3年10月閣議決定)(参考1)」等に基づき、「二国間クレジット制度(JCM)」を通じた環境インフラの海外展開を一層強力に促進していきます。
なお、令和4年度の採択は、今回の発表で最後となります。たくさんのご応募誠にありがとうございました。

事業内容

 本事業は、優れた脱炭素技術等を活用し、途上国等における温室効果ガス排出量を削減する事業を実施し、測定・報告・検証(MRV)を行っていただく事業に対して、初期投資費用の1/2を上限として補助を行います。
 途上国等における温室効果ガス(GHG) の排出を削減するとともに、二国間クレジット制度(JCM)を通じて我が国の温室効果ガス排出削減目標の達成に資することを目的としています。また、「地球温暖化対策計画(令和3年10月閣議決定)」、「環境省 COP26 後の6条実施方針(令和3年11月環境省発表)(参考2)」、「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画・フォローアップ(令和4年6月閣議決定)(参考3)」等に沿って、相手国のニーズを深く理解した上で先進的な優れた脱炭素技術等を普及・展開することにより、世界の脱炭素化に貢献することが期待されています。

選定した案件の概要

 GECは、環境省から「令和4年度から令和6年度二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金(二国間クレジット制度資金支援事業のうち設備補助事業)」の交付決定を受け、当該補助金の執行団体として、令和4年度4月6日(水)~11月30日(水) 12:00(正午)まで、日本の民間企業等を対象に公募を行ってきました。
  このたび、書面審査、ヒアリング審査及びその結果を踏まえた採否審査を実施し、下記のとおり、令和4年7月公表の第一回採択16件、8月公表の第二回採択4件、9月公表の第三回採択5件、12月公表の第四回採択4件に加え、8件を採択しました。令和4年度はこれまでの採択分と合わせると計37件のプロジェクトを採択しております。
 今後、交付決定の手続等を進め、JCMの実施に向けた取り組みの一環として、これらの事業を進めていきます。

【令和4年度 JCM設備補助事業 第五回採択案件一覧】

No. パートナー国 代表事業者 事業名 想定GHG削減量
(tCO2/年)
30  モンゴル  アジアゲートウェイ株式会社 ドルノゴビ県エルデネにおける15MW太陽光発電プロジェクト 19,515 
31 ケニア  株式会社AAIC Japan 飲料工場への1.5MW屋根置き太陽光発電システムの導入による電力供給事業 924 
32  ベトナム  関西電力株式会社 化学工場への0.8MW屋根置き太陽光発電システムの導入による電力供給事業 379
33 インドネシア 株式会社SDGインパクトジャパン 北スマトラ州プンガ川における3.5MW小水力発電プロジェクト 8,863
34 インドネシア 裕幸計装株式会社 ジャカルタ首都特別州の複合施設における省エネ設備及び太陽光発電システムの導入 1,493
35 サウジアラビア 豊田通商株式会社 ワディ・アド・ダワシル地域における100MW太陽光発電プロジェクト 136,802
36 チリ 第一実業株式会社 小規模分散型発電支援制度を活用した計47MW太陽光発電プロジェクト 34,418
37 チリ アジアゲートウェイ株式会社 サンティアゴ首都圏州レンカ区プラスチック工場への2.0MW屋根置き太陽光発電システム導入による電力供給事業 1,105

【添付資料】

参考情報

【参考1】令和4年度の本事業第一回採択案件(7月1日発表)
https://gec.jp/jcm/jp/kobo/mp220701/

【参考2】令和4年度の本事業第二回採択案件(8月9日発表)
https://gec.jp/jcm/jp/kobo/mp220809/

【参考3】令和4年度の本事業第三回採択案件(9月29日発表)
https://gec.jp/jcm/jp/kobo/mp220929/

【参考4】令和4年度の本事業第四回採択案件(12月2日発表)
https://gec.jp/jcm/jp/kobo/mp221202/

【参考5】地球温暖化対策計画(令和3年10 月閣議決定)におけるJCMの位置付け
 途上国等への優れた脱炭素技術、製品、システム、サービス、インフラの普及や対策実施を通じ、実現したGHG 排出削減・吸収への我が国の貢献を定量的に評価するとともに、我が国のNDCの達成に活用するため、JCMを構築・実施していく。これにより、官民連携で 2030年度までの累積で、1億 t-CO2 程度の国際的な排出削減・吸収量の確保を目標とする。令和4年10月25日現在のパートナー国は、モンゴル、バングラデシュ、エチオピア、ケニア、モルデ ィブ、ベトナム、ラオス、インドネシア、コスタリカ、パラオ、カンボジア、メキシコ、サウジアラビア、チリ、ミャンマー、タイ、フィリピン、セネガル、チュニジア、アゼルバイジャン、モルドバ、ジョージア、スリランカ、ウズベキスタン及びパプアニューギニアの 25か国。
 ●地球温暖化対策計画(令和3年10月閣議決定) 
  http://www.env.go.jp/earth/ondanka/keikaku/211022.html

【参考6】環境省 COP26 後の6条実施方針(令和3年11月発表)
 国連気候変動枠組条約第 26 回締約国会議(COP26)において、パリ協定6条(市場メカニズム)ルールの大枠が合意された。市場メカニズムを活用した世界での排出削減が進展することが期待される。6条ルール交渉をリードし、世界に先駆けてJCMを実施してきた我が国として、以下3つのアクションを通じて、世界の脱炭素化に貢献する。
 <3つのアクション>
 1.JCMのパートナー国の拡大と、国際機関と連携した案件形成・実施の強化
 2.民間資金を中心としたJCMの拡大
 3.市場メカニズムの世界的拡大への貢献
 ●参考サイト https://www.env.go.jp/annai/kaiken/files/r04/cop26%206jou.pdf

【参考7】新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画・フォローアップ(令和4年6 月閣議決定)(抄)
 JCM の拡大のため、2025年を目途にパートナー国を30 か国程度とすることを目指し、関係国との協議を加速するとともに、2022 年度に民間資金を中心とする JCM プロジェクトの組成ガイダンスを策定し普及を行う。
 ●フォローアップ(令和4年6月閣議決定) 
  https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/atarashii_sihonsyugi/pdf/fu2022.pdf

本件に関するお問い合わせ先

公益財団法人 地球環境センター 東京事務所 事業第一グループ(担当:高橋、石原)
TEL:03-6801-8860
Email: jcm-info@gec.jp