【開催報告】モルドバにおける二国間クレジット制度(JCM)の実施に関するセミナー ~JCMを通じたモルドバのGHG排出削減への貢献~

日本環境省及び公益財団法人地球環境センター(GEC)は、モルドバ環境省及び一般社団法人海外環境協力センター(OECC)と共催で、2024年9月26日(木)に「モルドバにおける二国間クレジット制度(JCM)の実施に関するセミナー ~JCMを通じたモルドバのGHG排出削減への貢献~」を開催しました。

背景:

  • 日本政府とモルドバ政府は、2022年9月6日に二国間クレジット制度(JCM)の構築に関する協力覚書に署名しました。
  • 2015年のCOP21で採択されたパリ協定では、気候変動に対処し、その影響への回復力を強化するための世界的な枠組みがつくられました。パリ協定の第6条には排出を減らした量を国際的に移転する「市場メカニズム」が規定されており、その具体的な取り組みの1つが、日本とパートナー国との間で排出削減プロジェクトを推進するJCMです。
  • 二国間クレジット制度(Joint Crediting Mechanism:JCM※1)は、パートナー国への優れた脱炭素技術、製品、システム、サービス、インフラ等の普及や対策実施を通じ、パートナー国での温室効果ガス排出削減・吸収や持続可能な発展に貢献し、その貢献分を定量的に評価し、相当のクレジットを我が国が獲得することで、双方の国が決定する貢献(NDC)の達成に貢献する仕組みです。それによってモルドバのGHG排出削減あるいは除去および持続可能な開発、さらに日本とモルドバのNDC(国が決定する貢献)の達成に貢献します。

本セミナーの目的:

本セミナーの目的は次のとおりです。

  • モルドバの気候変動・緩和政策、およびパリ協定第6条とモルドバの気候目標やJCMとの関係を理解していたただくこと。
  • JCMの制度概要およびその運用方法を理解していただくこと。
  • JCM資金支援事業につきJCM設備補助事業※2を中心に規程や手続き、活用事例を共有すること、など。

本セミナーの対象者:

本セミナーは、モルドバの気候変動対策に取り組む以下のような関係者を対象にしています。

  • GHG排出削減プロジェクトなどへの参加に関心のある民間企業
  • モルドバ政府における気候変動政策および国際協力の担当者 など

セミナー終了後には、JCM資金支援事業に関する応募相談を設定しました。

1.開催要領

開催日時:2024年9月26日(木)16:30~19:00(日本時間)、10:30am~13:00pm(モルドバ時間)          

会場:

ハイブリッド 
1)現地:Courtyard by Marriott Chisinau, Diamond Meeting Room 
2)Zoom

主催:日本環境省、モルドバ環境省、公益財団法人地球環境センター(GEC)、一般社団法人海外環境協力センター(OECC)

言語:英語、ルーマニア語(同時通訳)

参加費:無料

2.プログラム  動画全編(英語)(ルーマニア語

司会:公益財団法人地球環境センター(GEC) 総括主任 小村 陽平

1)開会挨拶

– モルドバ環境大臣  Sergiu LAZARENCU
英語 ルーマニア語

– 在モルドバ日本国特命全権大使 山田 洋一郎
英語 ルーマニア語

写真撮影

2)JCMに関する最新情報共有

Moldova’s Policy for Decarbonization and Expectations for the JCM
– Collaborator of the Institute of Chemistry, USM; CCAC Consultant, Stela DRUCIOC
資料  英語 ルーマニア語

Recent Developments of the Joint Crediting Mechanism (JCM)
– 環境省 地球環境局 国際脱炭素移行推進・環境インフラ担当参事官付JCM推進室 係長 木滑 黄平
資料  英語 ルーマニア語

METI’s Support Program for the JCM
経済産業省 GXグループ 地球環境対策室  室長補佐  三井 博行
資料  英語 ルーマニア語

Financing Programme for JCM Model Projects and JCM Global Match
– 公益財団法人地球環境センター(GEC)事業第一グループ 審議役兼グループ長 高橋 博志
資料  英語 ルーマニア語

質疑応答
– 司会:公益財団法人地球環境センター(GEC)事業第一グループ 審議役兼グループ長 高橋 博志
英語 ルーマニア語

3)JCM設備補助事業者などによる事例紹介

モルドバ・エタノール醸造工場における廃棄物エネルギー利用のためのメタン発酵システムJCMプロジェクト(NEDO JCM実証前調査・2024年度採択)
– 株式会社SDGインパクトジャパン    マネージングパートナー 栗田 永幸
資料  英語 ルーマニア語

インドネシア・ジャカルタ首都特別州の複合施設における省エネ設備及び太陽光発電システムの導入(環境省JCM設備補助事業・2022年度採択)
– 裕幸計装株式会社 海外事業部 海外事業課 係長 岩崎 沙織
資料  英語 ルーマニア語

フィリピン・パイナップル缶詰工場におけるバイオガス発電及び燃料転換事業(環境省JCM設備補助事業・2019年度採択)                                              – 伊藤忠商事株式会社  機械カンパニー 都市環境・電力インフラ部 プロジェクト開発第一課 課長  髙見 大介
資料  英語 ルーマニア語

Key Points for JCM Project Development
– 一般社団法人海外環境協力センター(OECC)研究員 藤瀬 航
資料  英語 ルーマニア語

質疑応答
– 司会:公益財団法人地球環境センター(GEC)事業第一グループ 審議役兼グループ長 高橋 博志
英語 ルーマニア語

4)閉会挨拶

– 環境省 地球環境局 国際脱炭素移行推進・環境インフラ担当参事官付JCM推進室長 飯野 暁
英語 ルーマニア語

GECとの応募相談(オンラインで実施)

○JCM資金支援事業に関するGECとの応募相談を設定しました。

3.フォトギャラリー

 

 

 ※1 Joint Crediting Mechanism (JCM):日本はこれまで29か国との間でJCMに関する二国間文書に署名しています。JCMの詳細はこちらをご覧下さい。

 ※2 JCM設備補助事業は、JCMパートナー国において優れた脱炭素技術等を活用してGHGを削減するとともに、日本の貢献に応じてJCMクレジットの獲得を
    目指す事業です。事業者(国際コンソーシアム)
に対し初期投資費用の1/2を上限として設備補助を行います。

 

問い合わせ先

公益財団法人地球環境センター(GEC) 東京事務所

担当:田辺、宮本、高橋飛来

メール:jcm-info@gec.jp