【開催報告】チュニジアにおける二国間クレジット制度(JCM)の実施に関するウェビナー ~JCMを通じたチュニジアのGHG排出削減への貢献~

日本環境省及び公益財団法人地球環境センター(GEC)は、チュニジア環境省と共催で、2023年11月1日(水)に「チュニジアにおける二国間クレジット制度(JCM)の実施に関するウェビナー ~JCMを通じたチュニジアのGHG排出削減への貢献~」を開催しました。

背景:

  • 日本政府とチュニジア政府は、2022年8月26日に二国間クレジット制度(JCM)の構築に関する協力覚書に署名しました。
  • 2015年のCOP21で採択されたパリ協定では、気候変動に対処し、その影響への回復力を強化するための世界的な枠組みがつくられました。パリ協定の第6条には排出を減らした量を国際的に移転する「市場メカニズム」が規定されており、その具体的な取り組みの1つが、日本とパートナー国との間で排出削減プロジェクトを推進するJCMです。
  • 二国間クレジット制度(Joint Crediting Mechanism:JCM※1)は、パートナー国への優れた脱炭素技術、製品、システム、サービス、インフラ等の普及や対策実施を通じ、パートナー国での温室効果ガス排出削減・吸収や持続可能な発展に貢献し、その貢献分を定量的に評価し、相当のクレジットを我が国が獲得することで、双方の国が決定する貢献(NDC)の達成に貢献する仕組みです。それによってチュニジアのGHG排出削減あるいは除去および持続可能な開発、さらに日本とチュニジアのNDC(国が決定する貢献)の達成に貢献します。

本ウェビナーの目的:

本ウェビナーの目的は次のとおりです。

  • チュニジアの気候変動・緩和政策、およびパリ協定第6条とチュニジアの気候目標やJCMとの関係を理解していたただくこと。
  • JCMの制度概要およびその運用方法を理解していただくこと。
  • JCM資金支援事業につきJCM設備補助事業※2を中心に規程や手続き、活用事例を共有すること、など。

本ウェビナーの対象者:

本ウェビナーは、チュニジアの気候変動対策に取り組む以下のような関係者を対象にしています。

  • GHG排出削減プロジェクトなどへの参加に関心のある民間企業
  • チュニジア政府における気候変動政策および国際協力の担当者 など

ウェビナー終了後には、JCM資金支援事業に関する応募相談、さらにチュニジアにおいてJCM資金支援事業による脱炭素技術等導入を検討中の企業と、関連技術を提供できる企業とのビジネスマッチングの個別面談を設定しました。

 

1.開催要領

開催日時:2023年11月1日(水)17:30~20:00(日本時間)、9:30am~12:00pm(チュニジア時間)

会場:Zoom

主催:日本環境省、チュニジア環境省、公益財団法人地球環境センター(GEC)

言語:英語及びフランス語(同時通訳)

参加費:無料

2.プログラム 動画全編(英語)(フランス語

司会:公益財団法人地球環境センター(GEC)総括主任 山口 薫

1)開会挨拶

– チュニジア環境省 National Focal Point of the United Nation Framework Convention on Climate Change, UNFCCC, Mohamed ZMERLI
英語 フランス語

– 在チュニジア日本国大使館 次席参事官 佐竹 博厚
英語 フランス語

2)JCMに関する最新情報共有

Recent Developments of the Joint Crediting Mechanism (JCM)
– 環境省 地球環境局 国際脱炭素移行推進・環境インフラ担当参事官室 参事官補佐 髙橋 健太郎
資料 英語 フランス語

Tunisia’s Policy for Decarbonization, National Strategy for the Implementation of Article 6 of the Paris Agreement and Expectations for the JCM 
– International Expert on Climate Change, Samir AMOUS
資料 英語 フランス語

Financing Programme for JCM Model Projects and JCM Global Match
– 公益財団法人地球環境センター(GEC)事業第一グループ 審議役兼グループ長 高橋 博志
資料 英語 フランス語

JCM Support Programme by UNIDO
– 国連工業開発機関(UNIDO)プロジェクトマネージャー 永森 一暢
資料 英語 フランス語

質疑応答
英語 フランス語

3)JCM設備補助事業者による事例紹介

養鶏場・食肉加工施設・バッテリー工場への2.3MW屋根置き太陽光発電システムの導入、及び食品加工施設への3.1MW屋根置き太陽光発電システムの導入(両案件とも2022年度採択)
– 株式会社AAIC Japan アフリカ事業部 部長 石田 宏樹
資料 英語 フランス語

繊維工場へのガスコージェネレーションシステム及び吸収式冷凍機の導入(2018年度採択)
– 関西電力株式会社 ソリューション本部 海外営業グループ 課長 藤井 健太
資料 英語 フランス語

質疑応答
英語 フランス語

4)閉会挨拶

– 公益財団法人地球環境センター(GEC) 常務理事 木村 祐二
英語 フランス語

GECとの応募相談(オンラインで実施)

○JCM資金支援事業に関するGECとの応募相談を設定しました。

3.フォトギャラリー 

 

 ※1 Joint Crediting Mechanism (JCM):日本はこれまで27か国との間でJCMに関する二国間文書に署名しています。JCMの詳細はこちらをご覧下さい。

 ※2 JCM設備補助事業は、JCMパートナー国において優れた脱炭素技術等を活用してGHGを削減するとともに、日本の貢献に応じてJCMクレジットの獲得を
    目指す事業です。事業者(国際コンソーシアム)
に対し初期投資費用の1/2を上限として設備補助を行います。

 

問い合わせ先

公益財団法人地球環境センター(GEC) 東京事務所

担当:田辺、高橋飛来

TEL:03-6801-8773
メール:jcm-info @gec.jp