設備補助事業を通じたSDGsへの貢献事例(株式会社AAIC Japan)
採択年度 2022年
パートナー国 ケニア
事業名: 食品加工施設への3.1MW屋根置き太陽光発電システムの導入
代表事業者: 株式会社AAIC Japan
共同事業者: Unga Holdings Limited / Unga Farm Care (E.A.) Limited
(案件概要URL)https://gec.jp/jcm/jp/projects/22pro_ken_01
【案件概要―JCM設備補助事業を活用し、自社工場屋根に太陽光発電設備を導入し、発電された電力を工場内で自家消費する】
本事業では、ケニア共和国のナイロビ郡、エルドレット郡、ナクル郡にある4つの穀物製粉施設と3つの飼料加工施設に、合計3.1MWの太陽光発電システムを導入します。発電した電力を施設内で自家消費し、グリッド電力の使用を削減することで、温室効果ガス(GHG)排出量の低減を図ります。
▲ナクル群のUNGA社の飼料加工施設に設置された太陽光パネル
【SDGsに取り組むようになった動機、背景―「将来と環境対して責任を持つ」という企業ビジョンから生まれた事業―】
UNGA社は「将来と環境に対して責任を持つ」ことを理念に掲げ、2020年頃からSDGsへの取り組みを本格化させました。インタビューに応じてくださったアントンさんによると、当初はカーボンフットプリントの基礎的な理解から始め、工場の水使用量や廃棄物排出量の計測を行い、状況を把握しました。その後、全工場で省エネ活動に取り組むようになり、工程を見直すことで古い設備の廃棄にもつながったそうです。また、SDGsの取り組みを通じて経済的なメリットも得られることが、継続の後押しになっているとのことでした。
【SDGsに関連する取り組み内容―省エネからグレイウォーターの利用まで幅広い取り組みを実施―】
それぞれの工場で取り組みを実施しているとのことで大きなものとして下記を挙げていただきました。
- 工場での再生エネルギーの利用促進
- 雨水をためる地下タンクを設置、トイレや散水用の水(グレイウォーター)として利用
- 廃棄物や環境への影響を減らすべく工場から出るごみの埋め立て量や、不良品のやり直し量を監視、工程改善を通して、廃棄物量を少なくする取り組み。
- ケニアの企業と組んで自社から排出するビニール梱包材の回収、リサイクル
【SDGsに取り組んだ結果、事業者及び享受した側にもたらされたベネフィットについてーSDGを通した原価低減活動―】
UNGA社では、SDGsへの取り組みを通じて原価低減を実現し、企業の競争力向上につながったといいます。そのため、SDGsの取り組みで最も恩恵を受けるのは、自社や株主(シェアホルダー)であると考えているそうです。また、省エネ設備の導入により削減したエネルギー費用を、埋立地や廃棄物処理にかかるコストと相殺できているとのことです。