設備補助事業を通じたSDGsへの貢献事例(大阪ガス株式会社)

採択年度 R3
パートナー国 タイ
事業名: 衣料品製造工場への高効率貫流ボイラの導入        
代表事業者: 大阪ガス株式会社
共同事業者: OSAKA GAS (THAILAND) CO., LTD. Parfun Textile Co., Ltd.
(案件概要URL)https://gec.jp/jcm/jp/projects/21pro_tha_01/

案件概要:

【衣料品工場では染色工程や乾燥工程において、大量の熱が必要です】
本事業は、タイ・ナコンパトム県にあるParfun Textile Co., Ltd.社の衣料品工場にて、既存の水管ボイラを高効率貫流ボイラへ入れ替えることにより、省エネルギーを図ると共に、石炭から天然ガスへの燃料転換を行うことで、温室効果ガス(GHG)排出量を削減する事業です。
衣料品工場では、染色工程や乾燥工程において蒸気の使用が欠かせません。これまでParfun Textile Co., Ltd.社の工場では、蒸気を作るために水管ボイラが活躍していました。また、本工場が位置するナコンパトム県は、天然ガスパイプラインが敷設されていない地域が多く、この地域の工場の燃料には主に石炭や油が使用されており、Parfun Textile Co., Ltd.社の工場でも石炭を熱源とするボイラが使われていました。
しかし、世界的な脱炭素の潮流の中、Parfun Textile Co., Ltd社の製品の低・脱炭素化に対する課題認識も高まり、そのようなタイミングで、天然ガス化による燃料の低炭素化、ボイラの高効率化の提案をOsaka Gas (Thailand) Co., Ltd.より受けました。そこで、Parfun Textile Co., Ltd社が一歩踏み出し本事業を実施されるに至りました。Parfun Textile Co., Ltd社は、燃料価格は上昇してしまうとしても、環境対策・社会貢献を行うことで企業の社会的責任を果たし、タイ国ならびに世界の低・脱炭素に貢献したいという思いで、石炭焚き水管ボイラを天然ガス焚き貫流ボイラに更新することを決められました。

【SDGsに取り組むようになった動機、背景】

  • 工場周辺への環境配慮
    • 衣料品の製造にはたくさんのエネルギーが必要になるため、環境への負荷も無視できない
    • 特に周辺環境への影響は気を使う部分で、石炭燃料による臭気に対して近隣からの苦情もあり、配慮が必要な状況であったが、天然ガス焚き貫流ボイラの導入後は苦情をうけることがなくなった
    • 天然ガス焚貫流ボイラへの切り替えで、排出されるばい煙がクリーンとなり、周辺環境への負荷が下がった
  • 労働環境
    • Parfun Textile Co., Ltd.に就業する95%が女性従業員
    • 女性にとって働きやすい職場環境の実現に努力している
    • 石炭を貯蔵しておくヤードでは埃(粉塵)が舞ってしまうこともあり、労働環境をいかにきれいに保つのか苦慮してきた
    • 天然ガスを利用することで石炭貯蔵の必要がなくなり、工場内を常に清潔に保つことができている

【取り組み内容】

【SDGsに取り組んだ結果、事業者及び享受した側にもたらされたベネフィットについて】

  • 製品の低炭素化への貢献
    • 衣料品が製品化されるまでに利用するエネルギーから出るCO2の削減の取り組みと目標を設けており、その達成のための実施計画と実績について取引先に定期的に報告しており、大きく期待されている
    • 石炭燃料を低炭素燃料である天然ガスに転換することで製品の大幅な低炭素化に成功、地球環境の保全に寄与できていると感じる

(共同事業者の今後の展望)

  • 熱需要に対する低・脱炭素化だけでなく、電力需要に対する脱炭素化も検討したい
  • 継続的な環境対策は企業の重要な使命として必須であると考えており、次のプロジェクトとして太陽光発電システムの導入を進めている最中である

(大阪ガスの今後の展望)

  • 屋根置き太陽光などを各国工場に積極的に導入していきたいと考える

以上