2019年度(平成31年度)二国間クレジット制度資金支援事業のうち設備補助事業の公募における第四回採択案件の決定について

 公益財団法人地球環境センター (GEC) は、途上国において優れた低炭素技術等を活用して温室効果ガスの排出削減を行い、二国間クレジット制度 (Joint Crediting Mechanism : JCM) に基づくクレジットの獲得を目指す「二国間クレジット制度資金支援事業のうち設備補助事業 (JICA等と連携する事業を含む)」について、今般、10件を第四回分として採択しました。

事業内容

 本事業は、優れた低炭素技術等を活用し、途上国における温室効果ガス排出量を削減する事業を実施し、測定・報告・検証 (MRV) を行っていただく事業です。
 開発途上国における温室効果ガスの削減とともに、二国間クレジット制度 (JCM) を通じて我が国の温室効果ガス排出削減目標の達成に資することを目的としています。また、平成30年6月に策定した海外展開戦略 (環境) に基づき、先進的な低炭素技術等を普及・展開し、インフラの海外展開の促進を目指します。
 初期投資費用の 1/2 を上限として補助を行います。

選定した案件の概要

 GECは、環境省から「2019年度 (平成31年度) から2021年度二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金 (二国間クレジット制度資金支援事業のうち設備補助事業)」の交付決定を受け、当該補助金の執行団体として、2019年 (平成31) 年4月5日(金)~11月29日(金)まで、日本の民間企業等を対象に公募を行いました。
  このたび、書面審査、ヒアリングによる二次審査及びその結果を踏まえた採否審査を実施し、下記のとおり10件を第四回採択分として選定しました。今後、交付決定の手続等を進め、JCMの実施に向けた取り組みの一環として、これらの事業を進めていきます。

【2019年度(平成31年度) JCM設備補助事業 第四回採択案件一覧】

No. パートナー国 代表事業者 事業名 想定GHG削減量
(tCO2/年)
 1 エチオピア シャープエネルギーソリューション株式会社 オロミア州メテハラ地域における120MW太陽光発電プロジェクト 30,007
2 ベトナム  株式会社兼松KGK アンザン省における49MW太陽光発電プロジェクト 24,021
3 ベトナム 日立ジョンソンコントロールズ空調株式会社 病院へのターボ冷凍機の導入 270
4 インドネシア  富士・フォイトハイドロ株式会社 ブンクル州における10MW小水力発電プロジェクト 35,950
5 インドネシア  富士・フォイトハイドロ株式会社 西スマトラ州における6MW小水力発電プロジェクト 17,242
6 カンボジア WWB株式会社 カンダール州におけるバイオマス・太陽光ハイブリッド発電プロジェクト 1,881
7 カンボジア  アジアゲートウェイ株式会社 インターナショナルスクールへの1.1MW太陽光発電システムの導入 503
8 チリ  ファームランド株式会社 ニュブレ州チジャン市における3MW太陽光発電プロジェクト 1,899
9 タイ  株式会社グローバルエンジニアリング  製糖工場への15MWバイオマス発電システムの導入 11,999
10 フィリピン  株式会社長大  ミンダナオ島カラガ地域における33MW風力発電プロジェクト 35,350

 

【添付資料】

 

【参考1 : 二国間クレジット制度 (Joint Crediting Mechanism : JCM) の概要】

JCMは、途上国への温室効果ガス削減技術、製品、システム、サービス、インフラ等の普及や対策を通じ、実現した温室効果ガス排出削減・吸収への日本の貢献を定量的に評価するとともに、日本の削減目標の達成に活用するものです。

JCMのパートナー国は、モンゴル、バングラデシュ、エチオピア、ケニア、モルディブ、ベトナム、ラオス、インドネシア、コスタリカ、パラオ、カンボジア、メキシコ、サウジアラビア、チリ、ミャンマー、タイおよびフィリピンの17か国です。

JCMによって、毎年度の予算の範囲内で行う日本政府の事業により、2030年度までの累積で 5,000万から 1億 tCO2 の国際的な排出削減・吸収量を見込んでいます。

(参考サイト https://www.carbon-markets.go.jp/jcm/index.html)

 

【参考2 : COP 21 首脳会合 安倍総理スピーチ (抜粋) (平成27年11月30日)】

先進的な低炭素技術の多くは、途上国にとってなかなか投資回収を見込みにくいものです。日本は、二国間クレジット制度などを駆使することで、途上国の負担を下げながら、画期的な低炭素技術を普及させていきます。

(参考サイト http://www.kantei.go.jp/jp/97_abe/statement/2015/1130speech.html)

 

【参考3 : 海外展開戦略 (環境) の策定 (平成30年6月7日)】
 我が国の幅広い技術・経験を活かし、各国の様々なニーズを踏まえ、インフラや人材づくりの面から各国のエネルギー転換を支援。特に、欧米・中国企業等が事業組成力や価格競争力を武器に各国で再エネ・省エネ事業を拡大する中、我が国として再エネ・水素・省エネ等の低炭素型のインフラ技術を核に、世界をリードできる強力な官民の連携体制を構築して対抗することが重要。

その際、二国間クレジット制度 (JCM) 等を活用して、我が国の先進的な低炭素技術を普及・展開し、災害に強い再生可能エネルギーなど、我が国が比較優位を有するインフラの海外展開を促進。
(参考サイト http://www.env.go.jp/press/105573.html)

本件に関するお問い合わせ先

公益財団法人 地球環境センター 東京事務所 事業第一グループ (担当 : 高橋、石原)
TEL : 03-6801-8860
Email : jcm-info@gec.jp