【開催報告】タイにおける二国間クレジット制度(JCM)の実施に関するセミナー ~JCMを通じたタイのGHG排出削減への貢献~
日本環境省及び公益財団法人地球環境センター(GEC)は、タイ国天然資源環境省及びタイ温室効果ガス管理機構 (TGO)と共催で、2024年12月19日(木)に「タイにおける二国間クレジット制度(JCM)の実施に関するセミナー ~JCMを通じたタイのGHG排出削減への更なる貢献~」を開催しました。
背景:
- 日本政府とタイ政府は、パリ協定の2°C目標及び5°C努力目標を達成し、気候変動に対処するため、2024年9月23日の日タイJCM合同委員会において、タイの国内制度であるPremium T-VERを含むJCMに係る新たな規則及びガイドライン類等につき合意しました。
- 二国間クレジット制度(Joint Crediting Mechanism:JCM※1)は、パートナー国への優れた脱炭素技術、製品、システム、サービス、インフラ等の普及や対策実施を通じ、パートナー国での温室効果ガス排出削減・吸収や持続可能な発展に貢献し、その貢献分を定量的に評価し、相当のクレジットを我が国が獲得することで、双方の国が決定する貢献(NDC)の達成に貢献する仕組みです。それによってタイのGHG排出削減あるいは除去および持続可能な開発、さらに日本とタイのNDC(国が決定する貢献)の達成に貢献します。
- タイでより質の高いJCMプロジェクトを策定するためには、新しいルールやガイドラインを含め、JCMに対する理解を深めることが必要です。本セミナーでは、JCMの最近の進展とともに、タイの国内制度であるPremium T-VERにつき共有しました。また、日本側からはJCM資金支援事業とその事例について説明しました。
本セミナーの目的:
本セミナーの目的は次のとおりです。
- タイの気候変動・緩和政策、およびパリ協定第6条とタイの気候目標やJCMとの関係を理解していたただくこと。
- JCMの制度概要およびその運用方法、タイの国内制度であるPremium T-VERを理解していただくこと。
- JCM資金支援事業につきJCM設備補助事業※2を中心に規程や手続き、活用事例を共有すること、など。
本セミナーの対象者:
本セミナーは、タイの気候変動対策に取り組む以下のような関係者を対象にしました。
- GHG排出削減プロジェクトなどへの参加に関心のある民間企業
- タイ政府における気候変動政策および国際協力の担当者 など
セミナー終了後には、参加者の交流会、JCM資金支援事業に関する応募相談を実施しました。
1.開催要領
開催日時:2024年12月19日 (木) 9:00~12:00(タイ時間)
会場:ザ バークレー ホテル プラトゥーナム(The Berkeley Hotel Pratunam)
Mayfair Ballroom A, 11th Floor
559 Ratchaprarop Road, Makkasan, Ratchathewi, Bangkok 10400 Thailand
Tel. +66 (0) 2309-9999
対面セミナーのみ、オンライン配信はありませんでした。
主催:日本環境省、タイ国天然資源環境省、タイ温室効果ガス管理機構(TGO)、公益財団法人地球環境センター(GEC)
言語:英語、タイ語(同時通訳)
参加費:無料
2.プログラム 動画全編(英語)(タイ語)
司会:タイ温室効果ガス管理機構 (TGO) テクニカルオフィサー Pornpawee KITTITANAPHAN
1)開会挨拶 |
– タイ温室効果ガス管理機構 (TGO) Deputy Executive Director, Acting Executive Director 博士 Natarika WAYUPARB NITIPHON – 在タイ日本国大使館 一等書記官 大澤 友里恵 写真撮影 |
2)JCMに関する最新情報共有 |
Recent Developments of the Joint Crediting Mechanism (JCM) Introduction of JCM and Benefit from Development of JCM Project JCM Project Development Cycle and Eligible Project Activities |
3)JCM設備補助事業者などによる事例紹介 |
JCM、JCM資金支援事業およびJCM Global Match 化学工場へのバイオマスコージェネレーションシステムの導入(2024年度採択) |
4)閉会挨拶 |
GEC・TGOによる応募相談及びビジネスマッチング(現地で実施) |
○JCM資金支援事業に関するGEC及びTGOで応募相談を実施しました。 |
3.フォトギャラリー
※1 Joint Crediting Mechanism (JCM):日本はこれまで29か国との間でJCMに関する二国間文書に署名しています。JCMの詳細はこちらをご覧下さい。
※2 JCM設備補助事業は、JCMパートナー国において優れた脱炭素技術等を活用してGHGを削減するとともに、日本の貢献に応じてJCMクレジットの獲得を
目指す事業です。事業者(国際コンソーシアム)に対し初期投資費用の1/2を上限として設備補助を行います。
問い合わせ先
公益財団法人地球環境センター(GEC) 東京事務所
担当:田辺、宮本、高橋飛来
メール:jcm-info@gec.jp