【開催報告】ベトナムにおける二国間クレジット制度(JCM)の実施に関するウェビナー(2021) ~JCMを活用したカーボンニュートラル実現に向けたイノベーション~
日本環境省及び公益財団法人地球環境センター(GEC)は、日本・ベトナム環境ウィーク※1の一環として、ベトナム天然資源環境省(MONRE)と共催で、2021年12月17日(金)に「ベトナムにおける二国間クレジット制度(JCM※2)の実施に関するウェビナー ~JCMを活用したカーボンニュートラル実現に向けたイノベーション~」を開催しました。
日本環境省では、JCMの設備補助事業※3を活用し、優れた脱炭素技術等の途上国への普及を促進しています。本ウェビナーは、JCM設備補助事業について、主にベトナム・日本両国の政府関係者及び民間企業を対象に、同事業の概要や成果を共有し、更なる案件形成やスケールアップを図ることを目的としています。
加えて、日本をはじめ世界各国がカーボンニュートラルを目指す中、省エネルギーの徹底や再生可能エネルギーの導入に加え、革新的なイノベーションが脱炭素社会実現への鍵となっています。本ウェビナーでは設備補助事業のほか、コ・イノベーションによる脱炭素技術創出・普及事業※4、さらに本年度より開始した水素製造・利活用第三国連携事業※5につき制度の概要を説明するとともに、各事業の好事例を紹介し、ベトナムにおけるコロナ後を見据えた脱炭素社会への移行の道筋を探りました。
また、ウェビナー終了後には、JCM資金支援事業に関する個別相談、さらにベトナムにおいてJCM資金支援事業による脱炭素技術等導入を検討中の企業と、関連技術を提供できる企業とのビジネスマッチングの個別面談を設定しました。
1.開催要領
開催日時:2021年12月17日(金)10:30~13:10(日本時間)、8:30~11:10(ベトナム時間)
会場:Zoom
主催:日本環境省、ベトナム天然資源環境省(MONRE)、公益財団法人地球環境センター(GEC)
言語:英語及びベトナム語(同時通訳)
参加費:無料
2.プログラム ウェビナー全編の動画はこちら
司会:公益財団法人地球環境センター(GEC)事業第二グループ 主任 山口 薫
1)開会挨拶 |
– ベトナム天然資源環境省(MONRE)気候変動局(DCC)Deputy Director General, Dr. Mai KIM LIEN – 在ベトナム日本国大使館 二等書記官 羽賀 秋彦 |
2)JCMの実施に関する最新情報共有 |
Recent Development of the JCM (Joint Crediting Mechanism) Greenhouse Gas Emission Reduction Policies in Vietnam towards Net Zero Target Financing Programme for JCM Model Projects Implementation of JCM in Viet Nam Financing Programme to Demonstrate Decarbonization Technology for Realizing Co-Innovation and Pilot Project for Comprehensive Support throughout the Whole Hydrogen Supply Chain Abroad Introduction of JCM Global Match 質疑応答 |
3)ベトナムにおけるJCMの実施等 |
(JCM設備補助事業) 食品工場へのバイオマスコージェネレーションシステムの導入 (2020年度採択) 工業団地への9.8MW屋根置き太陽光発電システムの導入(2021年度採択) (都市間連携事業) ハノイ市の環境改善に向けた脱炭素技術導入促進事業(2021年度採択) ベトナム・ハイフォン市の脱炭素化に向けたエコ工業団地推進事業(2021年度採択) (コ・イノベーションによる途上国向け低炭素技術創出・普及事業) アジアの食品スーパーマーケットにおける高機能換気・空調・ショーケース複合制御の実証 (2020年度採択) 質疑応答 |
4)閉会挨拶 |
– 公益財団法人地球環境センター(GEC) 常務理事 木村 祐二 |
GECとの応募相談及びビジネスマッチングのご紹介(オンラインで実施) |
○JCM資金支援事業への応募に関するGECとの個別相談受付を行いました。 ○案件形成支援プラットフォーム”JCM Global Match”を利用した、企業同士の個別面談(ビジネスマッチング)のご予約を受付けました。 |
3.フォトギャラリー
※2 JCMとは、Joint Crediting Mechanismの略で、途上国と協力してGHGの削減に取り組み、
削減の成果を両国で分け合う制度です。日本はこれまで17か国との間でJCMを開始するための
二国間文書に署名しています。概要はこちらをご覧下さい。
※3 JCM設備補助事業は、優れた脱炭素技術等を活用し、途上国におけるGHG排出量を削減する事業を実施し、
測定・報告・検証(MRV)を行っていただく事業です。これにより算出された排出削減量を、
JCMにより我が国の排出削減量として計上することを目的として、事業者(国際コンソーシアム)
に対し初期投資費用の1/2を上限として設備補助を行います。
※4 コ・イノベーションによる脱炭素技術創出・普及事業は、我が国と相手国の協働を通じて双方に裨益ある
イノベーション(コ・イノベーション)を創出すべく、質の高い環境技術・製品のカスタマイズ・普及を通じて
脱炭素社会を構築し、国内の技術開発への還元等にもつなげていくことを目的としています。
※5 水素製造・利活用第三国連携事業では、太陽光発電や風力発電等の再生可能エネルギーが豊富な第三国
において、再エネ由来の水素を製造し、パートナー国(島嶼国等)への輸送・利活用を促進する一連の
実証事業に対して、補助を行います。
問い合わせ先
公益財団法人地球環境センター(GEC) 東京事務所
担当:田辺、青山、高橋飛来
TEL:03-6801-8773
メール:jcm-info @gec.jp