令和2年度二国間クレジット制度資金支援事業のうち設備補助事業の公募における第一回採択案件(1件追加)の決定について

 公益財団法人地球環境センター(GEC)は、途上国において優れた低炭素技術等を活用して温室効果ガスの排出削減を行い、二国間クレジット制度(Joint Crediting Mechanism:JCM)に基づくクレジットの獲得を目指す「二国間クレジット制度資金支援事業のうち設備補助事業」について、今般、7月6日に決定した10件に加え、追加で1件を第一回採択分として採択しました。

 

事業内容

 本事業は、優れた低炭素技術等を活用し、途上国における温室効果ガス排出量を削減する事業を実施し、測定・報告・検証(MRV)を行っていただく事業です。
 開発途上国における温室効果ガスの削減とともに、二国間クレジット制度(JCM)を通じて我が国の温室効果ガス排出削減目標の達成に資することを目的としています。また、平成30年6月に策定した海外展開戦略(環境)に基づき、先進的な低炭素技術等を普及・展開し、インフラの海外展開の促進を目指します。
 初期投資費用の1/2を上限として補助を行います。

採択した案件の概要

 GECは、環境省から「令和2年度から令和4年度二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金(二国間クレジット制度資金支援事業のうち設備補助事業)」の交付決定を受け、当該補助金の執行団体として、令和2年度4月6日(月)~10月30日(金)まで、日本の民間企業等を対象に公募を行っております。
  このたび、書面審査、ヒアリング審査及びその結果を踏まえた採否審査を実施し、下記のとおり追加で1件を第一回採択分として選定しました。今後、交付決定の手続等を進め、JCMの実施に向けた取り組みの一環として、これらの事業を進めていきます。

【令和2年度 JCM設備補助事業 第一回採択(追加)案件一覧】

No. パートナー国 代表事業者 事業名 想定GHG削減量
(tCO2/年)
 1 サウジアラビア 丸紅株式会社 ラービグ地域における400MW太陽光発電プロジェクト 477,129

【添付資料】

【参考1:二国間クレジット制度(Joint Crediting Mechanism:JCM)の概要】

 JCMは、途上国への温室効果ガス削減技術、製品、システム、サービス、インフラ等の普及や対策を通じ、実現した温室効果ガス排出削減・吸収への日本の貢献を定量的に評価するとともに、日本の削減目標の達成に活用するものです。
 JCMのパートナー国は、モンゴル、バングラデシュ、エチオピア、ケニア、モルディブ、ベトナム、ラオス、インドネシア、コスタリカ、パラオ、カンボジア、メキシコ、サウジアラビア、チリ、ミャンマー、タイおよびフィリピンの17か国です。
 JCMによって、毎年度の予算の範囲内で行う日本政府の事業により、2030年度までの累積で5,000万から1億t-CO2の国際的な排出削減・吸収量を見込んでいます。
(参考サイト https://www.carbon-markets.go.jp/jcm/index.html

【参考2:COP21首脳会合 安倍総理スピーチ(抜粋)(平成27年11月30日)】

先進的な低炭素技術の多くは、途上国にとってなかなか投資回収を見込みにくいものです。日本は、二国間クレジット制度などを駆使することで、途上国の負担を下げながら、画期的な低炭素技術を普及させていきます。

(参考サイト http://www.kantei.go.jp/jp/97_abe/statement/2015/1130speech.html

【参考3:海外展開戦略(環境)の策定(平成30年6月7日)】
 我が国の幅広い技術・経験を活かし、各国の様々なニーズを踏まえ、インフラや人材づくりの面から各国のエネルギー転換を支援。特に、欧米・中国企業等が事業組成力や価格競争力を武器に各国で再エネ・省エネ事業を拡大する中、我が国として再エネ・水素・省エネ等の脱・低炭素型のインフラ技術を核に、世界をリードできる強力な官民の連携体制を構築して対抗することが重要。
 その際、二国間クレジット制度(JCM)等を活用して、我が国の先進的な脱炭素技術等を普及・展開し、災害に強い再生可能エネルギーなど、我が国が比較優位を有するインフラの海外展開を促進。 
(参考サイト http://www.env.go.jp/press/105573.html

本件に関するお問い合わせ先

公益財団法人 地球環境センター 東京事務所 事業第一グループ(担当:高橋、石原)
TEL:03-6801-8860
Email: jcm-info@gec.jp