鉄道車両の回生電力活用による駅の省エネ
- 調査実施団体
- 三菱電機株式会社
GHG排出削減プロジェクトの概要
バンコクの公営鉄道であるブルーライン及びグリーンライン(スカイトレイン)は総路線距離は52km、49駅、261車両にて現在営業運行されている。その車両には、ブレーキ時に発生するエネルギーを再利用する回生システムが搭載されている(ブレーキ時に発生する余剰電力を架線に戻し、周辺を走行する他車両がその回生電力を利用し走行するシステム)。しかしながら、回生車の周辺に回生エネルギーを消費すべき車両が存在しない場合、架線の電圧上昇を防止するために余剰電力を熱エネルギーとして空気中に廃棄することとなる。今回当社が提案する駅舎補助電源装置(S-EIV)は、いままで廃棄されていた余剰エネルギーを駅にて消費することを可能とし、鉄道システム全体の省エネを目指すシステムである。
■当社駅舎補助電源(S-EIV)の特徴
列車のブレーキ時に発生する余剰エネルギーを低圧ACに変換した上で駅設備(照明、空調、昇降機、エスカレータ等)に供給する業界初の小型インバータ機器。
想定GHG排出削減量
1,927 tCO2/年
プロジェクトにより削減される年間電力量:
600kWh/日/台 x 16台 x 365日= 3,504,000kWh/年
グリッドの排出係数(タイ):
0.55 tCO2/kWh
プロジェクトの排出削減量:
3,504,000kWh/年 x 0.55 = 1,927 tCO2/年