【開催報告】インドネシアにおける二国間クレジット制度(JCM)の実施に関するウェビナー(2021) ~JCMを活用したカーボンニュートラル実現に向けたイノベーション~
日本環境省及び公益財団法人地球環境センター(GEC)は、インドネシア経済担当調整大臣府及びインドネシアJCM事務局と共催で、2021年9月2日(木)に「インドネシアにおける二国間クレジット制度(JCM※1)の実施に関するウェビナー ~JCMを活用したカーボンニュートラル実現に向けたイノベーション~」を開催しました。
日本環境省では、JCMの設備補助事業※2を活用し、優れた脱炭素技術等の途上国への普及を促進しています。本ウェビナーは、JCM設備補助事業について、主にインドネシア・日本両国の政府関係者及び民間企業を対象に、同事業の概要や成果を共有し、更なる案件形成やスケールアップを図ることを目的としています。
本ウェビナーでは設備補助事業のほか、コ・イノベーションによる脱炭素技術創出・普及事業※3、さらに本年度より開始した水素製造・利活用第三国連携事業※4につき制度の概要を説明するとともに、各事業の好事例を紹介し、インドネシアにおけるコロナ後を見据えた脱炭素社会への移行の道筋を探りました。
また、ウェビナー終了後には、インドネシアにおける設備補助事業に関する個別相談を実施しました。
1.ウェビナー概要
開催日:2021年9月2日(木) 午後3時~午後5時30分(日本時間)、午後1時~午後3時30分(インドネシア時間)
会場:WEB会議システム「Zoom」
主催:日本環境省、インドネシア経済担当調整大臣府、インドネシアJCM事務局、公益財団法人地球環境センター(GEC)
言語:英語及びインドネシア語(同時通訳)
プログラム:下記「2.プログラム」ご参照
2.プログラム 動画全編(英語) ※インドネシア語の動画はこちらをご覧下さい。
司会:公益財団法人地球環境センター(GEC) 事業第二グループ 主任 山口 薫
1. 開会挨拶: |
– インドネシア経済担当調整大臣府 Assistant Deputy Minister for Multilateral Economic Cooperation Ferry ARDIYANTO – 在インドネシア日本国大使館 参事官 清水 和彦 |
2. JCMの実施に関する情報共有: |
Japan’s Policy for Carbon Neutrality and the Role of JCM Indonesia’s Implementation for Paris Agreement and Expectations for JCM JCM Recent Updates in Indonesia Financing Programme for JCM Model Projects JCM Global Match Financing Programme to Demonstrate Decarbonization Technology for Realizing Co-Innovation and Pilot Project for Comprehensive Support throughout the Whole Hydrogen Supply Chain Abroad 質疑応答 |
3. インドネシア及び近隣諸国におけるJCMの実施等: |
(JCM設備補助事業) 北スマトラ州10MW小水力発電プロジェクト (2016年度採択) パラヤン地熱発電所における29MWバイナリー発電プロジェクト (フィリピン 2020年度採択) (都市間連携事業) 富山市・バリ州・スマラン市による都市間連携事業を活用したSDGs未来都市構築支援事業 (2019-2021年度採択) (途上国向け低炭素技術イノベーション創出事業) 再生可能エネルギーを安定供給するエネルギー・マネジメント・システムの開発 (2016年度採択) 質疑応答 |
4. 閉会挨拶: |
– 公益財団法人地球環境センター(GEC) 常務理事 木村 祐二 – インドネシア経済担当調整大臣府 Acting Deputy Minister for International Economics Cooperation Edi Prio PAMBUDI |
ビジネスマッチング及びインドネシアJCM事務局、GECとの個別相談(ウェビナーの後日Zoomで実施) |
○インドネシアにおいてJCM設備補助による脱炭素技術等導入を検討中の企業と、関連技術を提供できる企業とのビジネスマッチングの個別面談を設定しました。 ○インドネシアJCM事務局、公益財団法人地球環境センター(GEC)によるJCM設備補助事業に関する個別相談を実施しました。 |
3.Photo
※1 JCMとは、Joint Crediting Mechanismの略で、途上国と協力して温室効果ガスの削減に取り組み、
削減の成果を両国で分け合う制度です。日本はこれまで17か国との間でJCMを開始するための
二国間文書に署名しています。概要はこちらをご覧下さい。
※2 JCM設備補助事業は、優れた脱炭素技術等を活用し、途上国におけるGHG排出量を削減する事業を実施し、
測定・報告・検証(MRV)を行っていただく事業です。これにより算出された排出削減量を、
JCMにより我が国の排出削減量として計上することを目的として、事業者(国際コンソーシアム)
に対し初期投資費用の1/2を上限として設備補助を行います。
※3 コ・イノベーションによる脱炭素技術創出・普及事業は、我が国と相手国の協働を通じて双方に裨益ある
イノベーション(コ・イノベーション)を創出すべく、質の高い環境技術・製品のカスタマイズ・普及を通じて
脱炭素社会を構築し、国内の技術開発への還元等にもつなげていくことを目的としています。
※4 水素製造・利活用第三国連携事業では、太陽光発電や風力発電等の再生可能エネルギーが豊富な第三国
(今回の公募にお いては豪州に限定)において、再エネ由来の水素を製造し、パートナー国(島嶼国等)への
輸送・利活用を促進する一連の実証事業に対して、補助を行います。
問い合わせ先
公益財団法人地球環境センター(GEC) 東京事務所
担当:田辺、青山、高橋飛来
TEL:03-6801-8773
メール:jcm-info @gec.jp