スリランカ・ハンバントタにおける国際会議場向け風力発電CDM実現可能性調査

公益財団法人 地球環境センター

CDM/JI事業調査結果データベース

調査名スリランカ・ハンバントタにおける国際会議場向け風力発電CDM実現可能性調査
調査年度2011年度
調査団体 高砂熱学工業株式会社
調査協力機関スリランカ都市開発局(UDA)
三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社
P.I.CONSULTANTS & CO.
調査対象国・地域スリランカ(ハンバントタ)
対象技術分野再生可能エネルギー(風力発電)
対象削減ガス二酸化炭素(CO2)
CDM/JICDM
報告書概要版
詳細版
- 添付資料(標準化ベースライン(案)・新規方法論等)
PDD
参考PPT資料
 プロジェクトの概要本プロジェクトは、スリランカの都市開発局(UDA)の管轄区域である同国南部のハンバントタ開発地域で建設中の国際会議場(ICC)向けの風力発電事業である。ICCは、4MWの小規模風力発電の導入(第一フェーズ)により、本来ならばグリッド電力を使用するところを、再生可能エネルギーを用いることでCO2排出削減を図る。
適用方法論AMS-I.D. “Grid Connected Renewable Electricity Generation” (ver.17)
ベースラインの設定本プロジェクトがなければ、同量の電力を系統電源から供給しなければならないので、系統電源がベースラインシナリオである。風力発電の場合、コンバインド・マージン排出係数CMは0.6564tCO2/MWhと算定。
モニタリング主なモニタリング項目は、グリッドに供給された電力量とグリッドから輸入された電力量であり、それを使用し、排出削減量の算定に必要である純電力供給量を求める。
GHG削減量4,599tCO2/年
プロジェクト実施期間/クレジット獲得期間風力発電設備の平均寿命は20年間を超えるのは一般的であるため、7年間の2回更新可能なクレジット取得期間に設定し、プロジェクト寿命が終わるまでCERの売却より追加収入が得られるようにする。
環境影響等本プロジェクト予定地であるソーラーパークは、居住区ではないため、周辺住民への影響は極めて少ないと考える。ソーラーパークに対する環境影響評価を既に実施しており、この点については、特段の懸念はないことが明らかにされている。
追加性の証明本プロジェクトは投資障壁のため、実現不可能である。投資の障壁を実証するために、ベンチマーク分析が適用される。
事業化に向けてグリッドへの遊乱が深刻化しており、新規の風力発電単体の認可はされない方向となってきた。電力平準化を促す蓄熱システム併用の太陽熱発電とのハイブリッド化では、新規FITの適用を含めて事業化の可能性が高い。2012年内のCDM登録を目指した取り組みを引き続き行っていく。
「コベネフィット」効果
(ローカルな環境問題の改善の効果)
評価分野の選択では、発電の全量をグリッドに供給するため、本プロジェクトと全ての系統電源が含まれる。評価分野は、「大気質改善」分野とする。CO2を主な排出源とし、風力による発電は、温室効果ガスの排出につながらない。
ホスト国における持続可能な開発への寄与本プロジェクトは、再生可能エネルギー発電となるため、スリランカの輸入化石燃料への依存度を緩和し、貿易収支の改善に繋がる。また、電力不足に直面しているスリランカ南部の発電容量の増加に寄与し、地域経済、およびスリランカの経済の活性化に繋がるものと考える。
 将来的に、オフグリッド供給が認められれば、本プロジェクトの夜間余剰電力により、漁業用冷凍冷蔵庫のスーパークーリング(-50度以下)を行うことで、ピーク負荷を増大させずに冷凍冷蔵施設の運用ができる予定である。