バングラデシュ・農村におけるバイオガスユーティリティー・プログラムCDM実現可能性調査

公益財団法人 地球環境センター

CDM/JI事業調査結果データベース

調査名バングラデシュ・農村におけるバイオガスユーティリティー・プログラムCDM実現可能性調査
調査年度2010(平成22)年度
調査団体株式会社PEARカーボンオフセット・イニシアティブ
調査協力機関グラミン・シャクティ
調査対象国・地域バングラデシュ
対象技術分野廃棄物管理
対象削減ガス二酸化炭素(CO2)、メタン(CH4)
CDM/JICDM
プロジェクト実施期間/クレジット獲得期間2011年~
PoAのクレジット獲得期間:28年間
CPAのクレジット獲得期間:10年間
報告書
プロジェクトの概要主に家庭からの有機廃棄物を原料とする比較的大型のバイオガス・ダイジェスターを都市ガス網のないバングラデシュの地方都市に導入し、そこで生成されるバイオガスをミニガス供給事業形態で、多数の未ガス化家庭に供給する事業を、プログラムCDM(PoA)として実施する。
適用方法論 AMS-I.E、AMS-III.AO
ベースラインの設定 ベースラインは、バイオガスガスを供給される家庭においては、非再生可能バイオマスを厨房用エネルギーとして使い続ける。また、バイオガスの原料である有機廃棄物に関しては、埋め立て処分される。
追加性の証明 3つの方法で可能である。
  1. First-of-its-kindすなわちprevailing practice barrierの適用(バングラデシュで類似の大型ダイジェスターもバイオガスの都市ガスとしての供給事業も存在しない)。
  2. 小規模CDMの1/3のプロジェクトの追加性のガイドラインの利用。
  3. CPAごとに投資採算性としてIRRを計算して証明。

 このうち、1.はCDM理事会のガイドラインがまだ不透明であり、clarificationが必要。2.はType IIIを含むこととPoAの適用が不透明であることがあるが、それらが不可であったとしても、3.は証明可能である。
GHG削減想定量第1号CPAのクレジット獲得期間の平均:2,700tCO2/年
モニタリング 当該PoAの調整管理組織であるグラミン・シャクティが、CPA実施者であるブランチにおいて行う。
 バイオガスの供給量や状態、家庭での使用状況、インプットする廃棄物、必要に応じてゴミ運搬用車両の燃料消費量などがモニターされる。
環境影響等 環境への負の影響はない。
事業化に向けて ファイナンス先をグラミン・シャクティが検討中。先進国側の可能性も探る。
「コベネフィット」効果
(ローカルな環境問題の改善の効果)
 環境への便益は、屋内大気汚染改善につながる(家庭)。また、バイオマス燃料の代替になることで、森林保護やunmanaged landfill状態の一般廃棄物削減にも寄与する(地方)。
ホスト国における持続可能な開発への寄与 最貧国地方都市でのクリーンでアフォーダブルなエネルギー供給を通じて、低炭素型地方都市開発のひとつのモデルとなる。