フィリピン・ひまわり油バイオディーゼル生産・供給事業のCDM事業化調査

公益財団法人 地球環境センター

CDM/JI事業調査結果データベース

調査名フィリピン・ひまわり油バイオディーゼル生産・供給事業のCDM事業化調査
調査年度2006(平成18)年度
調査団体サンケァフューエルス(株)
調査協力機関筑波大学、(有)クライメートエキスパーツ、HAVILAH BIODYNAMIC FARM SYSTEMS, INC.、
CENTRAL LUZON STATE UNIVERSITY
調査対象国・地域フィリピン(中央Luzon地域)
対象技術分野バイオマス利用
対象削減ガス二酸化炭素
CDM/JICDM
プロジェクト実施期間/
クレジット獲得期間
25年間/
7年間
報告書
プロジェクト概要本プロジェクトは、フィリピン共和国のルソン島のCentral Luzon region において、ひまわりを栽培し、ひまわりの種の油を原料としてBDFを製造(38,000 t/年)して、マニラ市で軽油とブレンドしてB1(『BDF 対 軽油』の容積比 1 : 99)として販売を行う。そして、化石燃料である軽油をバイオマス燃料に転換することにより地球温暖化ガスの削減に貢献する。
ベースラインの設定・追加性の証明サンケァフューエルス株式会社は、Climate Experts・松尾氏とともに新ベースライン・モニタリング方法論NM0129"Generalized baseline methodology for transportation Bio-Fuel production project with Life-Cycle-Assessment" を作成、2005年7月にCDM理事会へ提出した。
ベースラインシナリオの同定とベースラインシナリオ
本プロジェクトのステージ2:バイオ燃料製造は、現状維持である。従って、たとえ他のバイオ燃料が市場に普及していたとしても、ベースラインシナリオは現状維持である。

追加性:
Step 2 of the Additionality Tool
CER収入が無いケースでは、IRR(税含む)は5.51%で、サンケァフユーエルス㈱の投資判断基準の15%に達せず、投資の対象とならない。

IRR ( CER 収入なし)
5.51%
IRR ( CER 収入あり)
18.4%

IRR ( CER 収入なし) 5.51%
IRR ( CER 収入あり) 18.4%

Step 3 of the Additionality Tool
フィリピンでは、ひまわりからのバイオディーゼルの製造が行われておらず、日本側の技術提供がなければ難しい。

Common Practice Analysis (Step 4 of the Additionality Tool)
本プロジェクトはひまわりの種からBDFを製造する。フィリピンでは初めての取り組みであり、普及率は0%である。
GHG削減量
単位:tonnes of CO2e
2008年
2009年
2010年
2011年
2012年
2013年
2014年
合計
2,894
14,197
65,347
69,075
69,075
69,075
69,075
358,738
クレジット期間
7年間
平均排出削減量
51,248
モニタリングモニタリング項目

BDF 製造プラント
FPBDF,y:BDFの生産量 [kL/yr ]
FCBDF,y:BDFの特定ユーザーまたは市場で販売または消費された量 [kL/yr ]
DENBDF,y :BDFの密度 [ton/m3]
NCVBDF,y :BDFの熱量 [TJ/Gg = MJ/kg]
FCPHFO,y:BDF製造工場の重油消費量 [ton/yr]
ECPBDF,y:BDF製造工場の電力消費量 [MWh/y]
FSMe,y:BDF製造工場のメタノール消費量(新規投入量) [kL/yr ]
ひまわり栽培サイト
WSF,y:BDF原料のひまわりの種 [ton/yr]
Afield,y: ひまわりの栽培面積[ha]
Yy:ひまわりの種の平均収穫量 [ton/ha]
WSN,y :栽培面積あたりの窒素化学肥料の施肥量 [kg/ha/yr]
Fracremoved,y:ひまわりの茎等残渣でコンポストしなかった量。 [No dimension]
Aburnt,y:ひまわり栽培地の野焼き面積。[ha]
環境影響等BDF 製造プラントは、Central Luzon region のスービック湾自由貿易港・特別経済区に建設予定である。本プラントは、既に整地されている工場用地に建設する。従って、新たに森林伐採や農地を整備することはない。
本プロジェクトでは、バイオディーゼル製造過程から排出される有機不純物や廃水は、プラント内の高度排水処理施設で処理され、排水基準を満たして放流される。よって、周辺環境・生態系への影響は小さいものと考えられる。
また、BDF製造過程で出る粗グリセロールは、化学メーカへ販売され、周辺環境へと流出することはない。
本プロジェクトでは、重油をボイラで燃焼し、蒸気を熱源として利用する。基準をクリアできるボイラを選定する。
BDFはクリーンなエネルギーで、ディーゼルエンジンの排気ガスによる大気汚染を改善する効果が期待できる。バイオディーゼルは、軽油に混合して使用しても、排気ガス中のPM、PAH、CO、S0x等の大気汚染物質を減少させることができる。
事業化に向けて2007年に、Sun Care Fuels Philippinesを設立予定。
ひまわり農園の開拓中。